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千葉の城下町で味わう、天然麹菌の発酵調味料を生かした野菜料理と自然酒【千葉・南房総のゆる旅vol.4】

FASHION HEADLINE / 2017年6月21日 18時0分

筍の名産地があることでも知られる大多喜町。採り立ての白筍をステーキにしたランチ御膳のメインディッシュ。自家製合わせ味噌にニンニクを合わせたソースや塩わさびをつけていただきます

世界規模でベジタリアンやヴィーガンの食事が浸透する中で、これまで以上に菜食を基本とする和食に関心が寄せられています。

そんなグローバル化する和食の真髄でもある発酵調味料にこだわり、地元の無農薬野菜で作る野菜料理を味わえる和食店「蔵精」が、千葉・南房総の大多喜町にあります。


店名は蔵についた麹菌を蔵の妖精に喩えて「蔵精」

アウトドアスポットとしても人気の養老渓谷もある大多喜町は、戦国時代~江戸時代前期の武将であり徳川氏の家臣・本多忠勝がいた大多喜城下町で、現在も古い屋敷や蔵が残る町並みが広がります。そんな町の雰囲気に調和する蔵造り風の「蔵精」を、オーナーの横山精一さん・陽子さん夫妻がオープンしたのは8年前のこと。調理場に立つ精一さんはニューヨークで約19年を過ごし、現地の日本料理店で板前として従事して働いていました。


「蔵精」オーナーの横山精一さん・陽子さん夫妻。精一さんが調理場に立ち、陽子さんは接客を担当しています

「大学を卒業して、住んでみたいというそれだけの理由でニューヨークへ。そこで妻と出会い、子どもが生まれました。はじめは現地でお店をやろうかと考えていたんですけど、日本語を使ってベストな仕事をしたいという妻の希望で、帰国することにしたんです。発酵食品には海外にいた頃から興味があって、日本で仕事をするなら、味噌を作るところから一度しっかりやってみようと考えていました。外から見ると、日本の特徴ってそういうところにあるように思えたんですよね。それで、昔からある日本の食文化をフィーチャーするのであれば、やはり田舎に住むのがいいだろうということで、妻の実家からそう遠くないこの大多喜町に縁があって店を構えることになりました」


筍の名産地があることでも知られる大多喜町。採り立ての白筍をステーキにしたランチ御膳のメインディッシュ。自家製合わせ味噌にニンニクを合わせたソースや塩わさびをつけていただきます

使用する発酵調味料は、すべて天然麹菌を使用したものから厳選。買い付けする製品のみならず、自家製味噌を仕込んだり、地域の仲間で使った醤油なども使われています。動物性食品を使用せずに、地元の季節野菜を中心にした料理は、ヴィーガンの人でも安心して楽しむことができます。


チーズ工房「千」のチーズを、旬の筍、自然酒で漬けた青梅、もろみ大豆、醤油麹でそれぞれアレンジした「チーズ盛り(800円)」

「お店では郷土料理をベースにした和食を現代風にアレンジしたメニューを提供しています。確かに和食であり菜食なんですが、特にヴィーガンやマクロビオティックを謳っているわけではないんですよ。僕自身、ニューヨーク時代からゆるく菜食で、お店をやるのであれば何か特徴があったほうが面白いなと思ったんです。それに、単品でチーズも出しているんです。近くにあるチーズ工房『千』のものなのですが、工房の方といろいろと話をするうちに、そのチーズへのピュアな想いと『蔵精』の精神に共通点があると気付いたんですね。実際、良質な肥料で育った牛の新鮮なミルクでできたチーズはすっきりとした味わいで、和食や日本酒との相性が抜群なんですよ」

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