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ヴァレンティノ、フェミニンの中に滲む厳粛な美【2017-18秋冬クチュール】

FASHION HEADLINE / 2017年7月6日 23時27分

ヴァレンティノ2017-18年秋冬オートクチュールコレクション

ピエールパオロ・ピッチョーリ(PierPaolo Piccioli)によるヴァレンティノ(VALENTINO)が、パリ・旧ロスチャイルド邸のイベントスペースを会場に2017-18年秋冬オートクチュールコレクションを発表した。

聖歌隊のコーラスがBGMとして流れる中、このメゾンの持つ最高の技術によって仕立てられ、崇高ささえ感じさせるロングドレスの数々に観衆は圧倒されることとなった。

冒頭に登場した、ダブルフェイス素材を多用したルックのシリーズは、そのカラーパレットによってポップな印象を受けるも、極力シンプルなシルエットで抑制された雰囲気を醸し出し、それが修道士のフード付コートや聖職者の袈裟のような神聖さを導き出している。

このメゾンが得意とする異素材パッチワークやアップリケ、あるいは繊細な刺繍を施したアイテムは、本来ならば享楽的なものになるはずだが、シンプルなシルエットゆえに厳粛でストイックな印象を与えている。風をはらむように優雅に揺れるラフルを飾ったシースルーのフルレングスドレスは、インナーにブラやショーツなどをコーディネートし、抑えたフェミニンさの中に強さと威厳を滲ませている。適度なフェミニンさと適度な厳粛さで、コレクション全体を統一しているのが特徴。

神々しいドレスに対して、ミノディエールバッグ(minaudier=しなを作る、という動作から名前が取られた極小バッグ)は七つの大罪からインスパイアされ、ライオンやサルなどの動物やスカルなどをモチーフにしている。これは、今年初めにファインジュエリーのコレクションを発表したハルミ・クロソフスカ・ドゥ・ローラとのコラボレーションによるもの。神聖さに対しての罪、という相反するテーマではあるものの、コレクションに美しい調和をもたらしていた。

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