【日本モード誌クロニクル:横井由利】1/12--モード界とモード誌の関係
FASHION HEADLINE / 2013年12月28日 20時30分
VOGUEの歴史を綴った『In Vogue: An Illustrated History of the World's Most Famous Fashion Magazine』(Rizzoli刊)で掲載されている『VOGUE』創刊号表紙
モードとは、移ろいやすいもの。昨日まで黒い服がトップトレンドだったはずが、翌日には白い服の時代がやってくる。こうした現象は、デザイナーの気まぐれが引き起こすことではなく、空気感を読み解くデザイナーが、新しいスタイルを提案することによるものだ。
モード誌の編集者は、その情報を少しでも早くキャッチし、クオリティーの高いファッションフォトと文章で、新しい時代の女性像を描き出す。それが、更にデザイナーを刺激する。ファッション界とモード誌は、表裏一体となってモードの進化を促してきた。そこに消費者が賛同して時代のモードが完成していく。
パリでオートクチュール組合(現在のサンディカ)が開設された1867年に、アメリカでは世界初のモード誌『Harper’s BAZAAR』が創刊された。その頃から既にモードの中心はパリにあり、パリから発信される最新モードにアメリカの女性は、憧れ胸躍らせていた。その証拠に、創刊号の『Harper’s BAZAAR』には、当時のファッショニスタ、ナポレオン3世の妃ウジェニーのファッションが掲載されている。1892年には米版『VOGUE』が創刊され、共に世界を代表するハイエンドなモード誌として、女性達をリードし続けている。『VOGUE』は現在12ヶ国、『Harper’s BAZAAR』も18ヶ国で発刊され、モード誌ファンを魅了。日本上陸は、共に21世紀の扉が開こうとしていた1999年から2000年のこと。国内のラグジュアリーブランドが、成熟した頃を見計らったかのようなタイミングだった。
モードの発信地パリに『ELLE』『marie claire』が登場するのは、『VOGUE』『Harper’s BAZAAR』より約50年後のこと。パリ生まれのモード誌は、パリジェンヌのライフスタイルをフィーチャーし、ファッション、インテリア、食、とトータルに質の高い暮らしを提案するもので、アメリカ発のモード誌とは趣を異にする。
日本初の、海外提携モード誌、『アンアン/エル・ジャポン』が上陸したころ、パリのモードは、オートクチュール(高級仕立て服)からプレタポルテ(高級既製服)へ移行していた。フランスの『ELLE』や『marie claire』は、プレタポルテの時代をパリジェンヌの粋なスタイルに変換。それが日本女性の感性にフィットした。一説によると、一般的なフランス女性と日本女性の体格が近いため親近感がわくのではという説もある。確かに、ゲルマン女性と日本女性の骨格の違いは、モード感も生活感も違ってくる気がする。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
『婦人画報』2024年6月号“記憶に残る美食の宿”特集!鈴木亮平特別版も同時発売
PR TIMES / 2024年4月30日 12時45分
-
吉沢 亮さんと清野菜名さんの豪華共演が実現!『エル・ジャポン』6月号は4月26日に発売
PR TIMES / 2024年4月25日 4時0分
-
Quentin Veron (クエンティン・ヴェロン)、パリの老舗最高級ブランドMORABITO のアーティスティック・ディレクターに就任
PR TIMES / 2024年4月23日 19時15分
-
俳優・小栗旬さんが表紙の『Esquire The Big Black Book』最新号の特集は不変の美意識を宿す“パリ”
IGNITE / 2024年4月21日 14時0分
-
TWICE ミナさんが『ハーパーズバザー』カバーに登場
PR TIMES / 2024年4月12日 16時45分
ランキング
-
1「スナップえんどう」の筋取りが、お家にあるアレを使うだけで簡単キレイに!驚きのアイデアに「目からウロコ」「見ていて気持ち良いー!」
まいどなニュース / 2024年5月6日 15時45分
-
2親を扶養に入れるメリット・デメリットを確認してみよう
マイナビニュース / 2024年5月7日 11時2分
-
3クルマのホイール「アルミ」と「スチール」どっちがいい? 足元を支える“重要パーツ”のメリット・デメリットとは?
くるまのニュース / 2024年5月7日 17時40分
-
4「サプリメント同士」の“のみ合わせ”リスク もっとも注意すべきは「同じような効果のものを何種類ものむ」ケース
NEWSポストセブン / 2024年5月7日 16時15分
-
5死者をデジタルで復活させる「故人AI」が海外で急速に普及 「悲しみに暮れる人の社会復帰を妨げる」という懸念も
NEWSポストセブン / 2024年5月7日 7時15分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください