アンディ・ウォーホル最大回顧展、森美術館で開幕。シルバーファクトリー、タイムカプセル等集大成
FASHION HEADLINE / 2014年1月31日 18時2分
森美術館は2月1日から5月6日まで、国内史上最大の回顧展「アンディ・ウォーホル展:永遠の15分」を開催する。1月31日に、内覧会が開かれた。
本展は、日本で過去最大となるウォーホルの回顧展。タイトル「永遠の15分」は、「将来、誰でも15分は世界的な有名人になれるだろう」というウォーホルの有名な言葉に由来したもので、20世紀アメリカの世相を体現したかのような、初期から晩年までの作品が包括的に紹介される。アメリカ・ピッツバーグのアンディ・ウォーホル美術館が所蔵する作品約400点を展示し、さらに「タイムカプセル」と称した箱に収められた、ウォーホルの私物約300点も公開する。
場内は9セクションに分けられ、冒頭では「ウォーホルとは何者なのか?」をベースに、少年時代から商業デザイナーとして活躍した時期を経て、アーティストとして成功し87年に他界するまでの、ウォーホルのポートレートを一堂に展示。1986年に制作された、トレードマークのシルバーウィッグを被ったシルクスクリーンの自画像が、来場客を迎える。
第2セクションでは50年代イラストレーター、商業デザイナーとして活躍した時代の、ファッション誌や広告で手掛けた作品を展示。婦人靴の広告用のイラストや靴型にペイントを施した作品なども見られる。当時ウォーホルが多用したドローイング技法「ブロッテド・ライン(しみつきの線)」は、反復や転写による複数生産を可能にし、シルクスクリーン作品の原点となった。ウォーホルは広告で賞を受賞しており、成功の理由を垣間見れるセクションとなっている。
60年代にアーティストへの転身を図ったウォーホルは、新聞や広告などのマスメディアから切り取ったイメージをシルクスクリーンで大量に作品化する。三つ目のセクションでは、有名なキャンベル・スープを主題にした作品2点が飾られ、その違いを鑑賞できる。またウォーホル作品の代名詞とも呼べる「スターの肖像画」シリーズが多数展示されており、マリリン・モンローの作品は10点ある内の5点が展示され、その横には「2つのマリリン」という、今まで展示されることのなかった貴重な作品も掲げられている。
そして一転、ガラス張りで外光が降り注ぐ「銀の雲」と呼ばれるコーナーでは、気圧の関係で雲のように上下して動く、銀色のヘリウム入り風船が宙に浮かんでいる。日中は太陽光に反射した銀の雲を、夜はライトアップされた東京の街並みが投影された、きらきらと光る銀の雲が見られる。そこを抜けると、ウォーホルのニューヨークのスタジオ「シルバーファクトリー」が、ほぼ原寸大で再現された空間が現れる。この銀色装飾の考案者である写真家のビリーネームの実寸大フォトも壁に転写されている。
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