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【ファッションってなんだろう?vol.1】リトゥンアフターワーズ山縣良和2/2

FASHION HEADLINE / 2014年3月14日 12時26分

リトゥンアフターワーズ、デザイナーの山縣良和氏

――ファッションが社会の中で、どんな存在になって欲しいとお考えですか。

表層的な部分だけ脚光を浴びるのではなく、文化的な地位が上がって欲しいですね。ファッションは低俗的に見られることも多く、ファッションをテーマにしていたり、仕事にしていると言うと純粋性に欠けると思われたりすることも多々あります。大量消費、大量生産という象徴的な資本主義世界だと認識されている。そういった側面も確かにあるが、それは表層的なものであって、本質はそこじゃない。その資本主義的な部分が認知されていて、それ以外のファッションについては理解されていない状況を感じます。それは、教育的な部分でも感じていて、国内にはアカデミックにファッションを学べることころがありません。アカデミックにデザインを学ぶ場がないという思いから、まずは「ここのがっこう」を立ち上げました。ファッションについて考えていると伝えたいことがたくさんあって、その一環で教育もどのようにファッションを伝えるのか、クリエーションには何が必要なのかと考えた結果、「ここのがっこう」に至りました。

――自分がデザイナーでありながら、教える立場というのは、どんな心境ですか。

伝導というか、仲間を作るというか、“だよね”、と共感できる人を持つということです。共感する人達が増えてくれればいいなという思いでやっています。一緒に仕事が出来たり、仲間が増えた実感はすごくあるんで、僕の財産ってそこなんじゃないかと(笑)。お金は儲けてないけど、人脈は広がって、一緒に支え合っていると感じます。卒業生が、デザイナーになったり、縫製を始めたり、刺繍工場を立ち上げたり、生地屋のコーディネートをしたり、ライターになったり、色んな子がいます。そこで、ネットワークが生まれて仕事で繋がる。これまでとは違う形で仕事が出来たり、滑車が回り始めた感覚があります。

――“着られる”とか“暖かい”とか利便性を補うための洋服ではなく、自分自身の存在を表現するような洋服の存在を前者がファッションだと思う人に理解してもらうことは難しいのではないでしょうか。

そうなんですよ。僕も実は答えが見つからなくて、葛藤の中、やっています。例えば、宮崎駿監督の映画のように、作った作品が長い時間を掛けて多くの人の価値観に影響を与えるような表現方法があると思います。ファッションにも何か違う広がりや、文化的な根付き方がないのかと考えています。僕が今「リトゥンアフターワーズ」でやっている活動は、その模索に近いと思います。

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