三原康裕2/2--伝統工芸の活路は海外にある【INTERVIEW】
FASHION HEADLINE / 2014年4月1日 21時30分
■密接に結びつく産業と教育
――西陣織や藍染めを始め、日本の伝統工芸を取り入れたコレクションを発表していますが、世界に向けて発信していきたいという想いが根底にあるのでしょうか?
逆に、伝統工芸に助けてもらいたいと思っているんです。日本人がテーラードやドレスを作っても、世界ではなかなか認められない現実がある。「コム デ ギャルソン(COMME des GARCONS)」「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」「ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)」は、既成概念を壊すことで、日本らしさ表現し、世界に認められてきた。その一世代後にあたる僕は、破壊的なコレクションも作るけれど、破壊せずに認められたいという想いがあった。ヨーロッパ文化から生まれた洋服を日本の伝統工芸で作ることにより、双方の文化を生かしながら、よりイノベーティブな提案ができると考えたのです。
――今、注目している日本の技術や素材はありますか?
本当は内緒にしておきたいのですが……(笑)。テクノロジーと伝統工芸の融合に着目しています。テクノロジーの発展で、信じられないような高いクオリティーの生地が作れるようになり、大きな可能性を感じています。
――三原さんのお話を伺っていると、日本の伝統工芸には薄日が感じられます。さらなる発展のために、取り組むべき課題は何でしょうか?
現状を言えば、伝統工芸が衰退しつつあることも確か。後世に継承していくため、若い人材を育てていくことが大切だと思います。経済産業省は、消費を促すためにマーケットへのアプローチを積極的に行なっていますが、将来、産業を支えていく学生への啓蒙活動にも力を入れるべき。産業と教育は密接につながっていることと改めて認識する必要があります。日本の伝統工芸を学びたい外国人も積極的に受け入れ、労働力を確保することも一案でしょう。
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