三越伊勢丹と松阪市が語る女性の「仕事と子育て」
FASHION HEADLINE / 2014年4月13日 19時0分
4月9日から銀座三越で開催されている子育てや仕事、暮らしを自分らしく楽しむためのイベント「ギンザ ワーキングプラス(Ginza Working+)」にて、三越伊勢丹ホールディングス・大西洋代表取締役社長と、三重県松阪市・山中光茂市長によるトークショーが行われた。
「仕事と子育てを応援する街づくり、銀座・松阪」と題し、大西社長と山中市長がそれぞれの立場から「仕事と子育て」の応援の在り方、街づくりについて語った。このトークショーは、三越の創始者である三井高利が伊勢国松坂(現三重県松阪市)生まれであるという背景から実現したという。
大西社長は、「従業員支援」と「銀座三越の顧客層の変化と今後の展望」について話した。百貨店の7・8割は女性客であるため女性社員の活躍を重視しており、現在は女性管理職も増え、現場マネージャーの約20%が女性だという。今後は部長級の女性社員も増やす意向だ。三越伊勢丹では出産育児に対しての支援制度を設けているが、短時間労働だとチームとして動く時に調整がうまく出来ず退職を選んだ社員がいたことも事実だと述べ、今後も女性社員が働き続けやすいコンディション作りに取り組む必要性を示した。
銀座三越は、湾岸エリアに住宅が増えたことで30代から40代の子育て世代の顧客も増えた。それに合わせてベビールーム、キッズトイレなど設備の充実を図ってきたが、「感度が高い顧客が増えたことにより、単に設備投資をするだけでは満足が得られない。子供もケアしながら楽しく買い物ができ、かつファッション性も兼ね備えた環境作りが課題」と述べた。
街づくりについては、「百貨店が主導で出来ることは少ないが、まずは目的を持って来店する顧客に対して満足や感動を与えることが使命だと思う」と語った。そして、百貨店は物を売るだけではなく街と一体化した環境空間を作り、空間に入ることでその街にいる感覚を味わえ、楽しめる施設になって行かなくてはならないと断言。「本イベントは今回で11回目。今までは三越のみでの開催だったが、今回は初めてNPO法人や銀座地域の方々と一緒に取り組んだ。今後も銀座で商売をする立場としてこの取り組みの大きく盛り上げて行きたい」と、地域と協業した街づくりに対して積極的な姿勢を見せた。
山中市長は、「歴史的に見る松阪での女性の活躍」について、松阪の産業の一つである松阪木綿に由縁のある「嶋木綿は松阪の女業なり」という言葉を引き合いに出し、「女性が表舞台に出て働くというのは当たり前では無かった時代から、松阪木綿の文様を描く作業は女性の仕事だった。伝統文化の根幹には女性の存在があり、今でも松阪は女性の力が非常に強い」と語った。
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