日仏『ELLE』編集長が語る「女性・メディアの未来」3/4【特別対談】
FASHION HEADLINE / 2014年7月9日 22時0分
ファッションヘッドライン(以下FH):先ほどヴァレリーさんがインターネットの普及により時代の進化が始まったとお話なさいましたが、メディアとしての雑誌とウェブの関係や進化についてお話いただけますか。
ヴァレリー・トラニアン編集ディレクター(以下V):インターネットの出現で、ファッションはよりグローバル化しました。ブロガーやセレブがどんなファッションをしているか見るのは簡単ですが、情報が有り余っていて、この莫大な情報とどう付き合っていくのか、大変な世の中になってきました。その情報のフィルターになるのが雑誌『ELLE』の役割だと思います。情報を編集し編集部の意見として発信することにより、女性読者の道しるべになっていくのだと思います。
塚本香編集長(以下K):たくさんの情報を簡単に手に入れることができる時代になったからこそ、それぞれの雑誌のスタイルが重要になってきたと思います。情報の洪水の中から、何を選んでどういう切り口で紹介するか、雑誌の“エディット”する力が試されていると思います。
日本では出版不況と言われていますが、私は、雑誌は残っていくという思いが最近になって確信に変わってきました。セレクトする、エディットするというのは雑誌ならではの大きな特質ですから、紙媒体への期待と憧れは残っていくと思います。
FH:雑誌と違い、ウェブ媒体では情報の画一化が進むのではないでしょうか。
K:『ELLE』は発刊されている国によってドメスティックなアレンジがされ、ローカリゼーションされています。基本的には『ELLE』が目指している方向は同じですので、大本のコンセプトは同じですが、いかにそれを各国でアレンジしていくのかということです。インターネットがあってもなくてもそのことに変わりません。
V:そこは、香と同じ意見ね。各国の文化的な要素は違うし……もちろん共通点もありますが……。
ファッションの感じ方は、日本、フランス、中国、アメリカなどすべて違います。これらの国々に同じファッションを提供するファッション誌って意味がないと思いませんか。確かにファッションのグローバル化は進んでいるけど、同時にスタイルはミックスしている。
ラグジュアリーとファストファッションをミックスすることができる。ファッションはグローバル化しても、ファッションの捉え方は、各国で違う、もっと言うと媒体によって違うのですから、この違いがあり続ける中で、同じエスプリを保つところが、『ELLE』の一番の長所ではないかしら。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
洋服を大切にする持続可能なファッションライフスタイルを提案「スローワードローブ プロジェクト」本格始動
PR TIMES / 2024年6月26日 11時45分
-
アーティスト ジョアナ・シュマリ×人気ブランドによるチャリティー アイテムを世界難民の日に『ELLE SHOP(エル・ショップ)』で限定販売開始
PR TIMES / 2024年6月17日 12時15分
-
51歳で出合ったライターという“天職”。50代の新人が“前職のスキル”を活かして売れっ子になるまで
日刊SPA! / 2024年6月14日 8時58分
-
定年退職まであと少し、再雇用制度に乗るべきだとは思っているのですが、今さらまた同じ職場で働くのはやっぱり避けたいです。何か対応策はありますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月11日 9時40分
-
「旧車會の雑誌」が新創刊、驚きの販売戦略とは…「俺らの読者は書店になんか行かねえんだよ」
日刊SPA! / 2024年6月2日 8時51分
ランキング
-
1すき家、7月から“大人気商品”の復活が話題に 「この時期が来たか」「年中食いたい」
Sirabee / 2024年6月29日 4時0分
-
2若々しい人・老け込む人「休日の過ごし方」の違い 不安定な社会、「休養」が注目される納得理由
東洋経済オンライン / 2024年6月30日 9時0分
-
3水分補給は昼コーヒー、夜ビール… 「熱中症になりやすい人」の特徴と対策
ananweb / 2024年6月29日 20時10分
-
4忙しい現代人が“おにぎり”で野菜不足を解消する方法。野菜たっぷりおにぎりレシピ3選
日刊SPA! / 2024年6月30日 15時53分
-
51年切った「大阪・関西万博」現地で感じた温度差 街中では賛否両論の声、産業界の受け止め方
東洋経済オンライン / 2024年6月30日 14時0分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください