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新生「アキラナカ」がオール・ジャパン・メイドにこだわる理由【INTERVIEW】

FASHION HEADLINE / 2014年10月16日 15時0分

――日本は総合力がないということですが、改善の余地はどこにあると考えますか?

産業は企業の集まりであって、1企業の成功は、ソフトが良ければOKかというとそうでない。正しいコミュニケーションがあって正しいチャンネルがあって、そこから正しい戦略とマネジメントが組めます。アレキサンダー・ワンが成功したのは、ブランドの規模拡大に合わせて大手からブレーンを抜いて、しっかりと戦略を立てたからだと伺っています。それまでアレックスの父親が担っていたことを、元ルイ・ヴィトンのロドリゴ・バザンがそれまでの経験を生かし、手腕を奮ってブランドを導きました。どのようにブランドが育ち、どのようにして背景を保てるか。結局、ビジョンをマッチングさせられる戦略を持ったディレクターが必要なのです。例えば、バーバリーのCEOがアップルにいくといった、違うフィールドで活躍した人材を引き抜くというのが日本ではあまり見られません。デザインじゃなく、マネジメントサイドとして海外のビッグメゾンで経験を積み、それを日本に持ち帰り、日本の背景を使ってブランドを成功に導ける、そういうマップを描ける人が必要だと思います。

――マネジメントやブランディングという部分は非常に難しく、日本の企業は重要性を正しく理解している人が少ないのかもしれません。

僕は、海外で企業経営をしていた友人を自分の会社へ招きました。ファッション以外の海外の大手企業でマネジメント経験を積んだブレーンを連れてくることで、利益率に対する感覚も変わりました。ファッションのヒストリーを学ぶよりも、スティーブ・ジョブズなど他の分野で成功している人達が今どのように成功を勝ち得たのかというマインドを学んだほうがいいと思っています。ファッションで日本が幸せになっていくというそんなマップを描いていますが、そのような長期ビジョンにおいてはどうしたら自分のブランドの成長と共に背景にいる企業が成長していけるのか、どうしたら僕の家族も社員も、服を生産しているその家族までもが幸せになっていくのか継続性のあるWIN-WINを考える事が重要だと思います。

――すごいですね。短期間で驚くほどの飛躍ではないでしょうか。

戦略を持ってしっかりとしたチームを組めば、間違いなくビジネスは上手く行くと信じています。その仕組みをどうやって日本で築いていくかが課題です。若手のデザイナーに「いつが世に出て行くデビューのタイミングなのか?」と聞かれるのですが、そういう考えであればいつまで経っても出て行かないほうがいいと伝えます。なにか運命的なことがあって、リンクして売れていく。そんなビジネスは永続しないと思います。若手のデザイナーは才能があれば、いつの日かチャンネルがマッチしてポンと売れていくのではないかという夢を見ていることが多い。バイヤーの方でも、デザイナーの才能があるから売れると思う人がまだいたりします。デザイナーの才能や先見性は確実に必要ですが、しっかりとしたブランディングとマネジメントによって戦略的に育っていくものだと思います。でもそれが意外と認知されていないのではないでしょうか。オンリーワンを作ろうと言っても、ディレクションもされていないので、オンリーワンはいつまで経ってもオンリーワンのままでしかない。そこにどんな価値が出てくるか、どうやったら出せるのかまでかは考えられていないケースが多いのです。

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