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新生「アキラナカ」がオール・ジャパン・メイドにこだわる理由【INTERVIEW】

FASHION HEADLINE / 2014年10月16日 15時0分

――しっかりと売り手のことまで考えているのですね。

今は少なくなりましたが、消化率のことを指摘されることもありました。消化率とデザインのことって一番指摘しやすいのです、それはイメージで捉えることですから。でもただデザインだけに原因があると安易に考えるのは違うと思っています。(売り手が)本当にいい出会いを演出できていたのか等、様々な側面も考慮する必要があります。もちろん売れない理由について、デザインはデザインで考えるのは当然なので、責任転嫁するつもりはありません。ただ、売る人はその服を着た後のこともきちんと理解して、その洋服が語るストーリーをしっかり伝えることができていたのかと。そこまでした上でダメであれば、お客様が何を求めているか僕たちがもう一度根本的に考える必要があると思います。

――生まれ変わったコレクションが、どう展開されるか楽しみですね。

伊勢丹は百貨店のモデルケース。周りに合わせた客観性ではなく主観を持ってやっているのが伊勢丹のイメージです。「理念がある、百貨を売る、ミュージアムである」というコンセプトを感じ、それに適ったことを導入している。本来は売り場面積を狭めるってなかなか出来ないですが、これで売り上げが伸びているって素晴らしいと思います。成功したのはしっかりとブランディング出来るマネージャーが居たからではないでしょうか。僕からのお願いは、自社のモデルケースだけ残すのではなくて様々なノウハウを公開して欲しいなと。ビジネスとして大きく捉えたときに、何かの形で伊勢丹の成功ケースが周りにもっと普及していったらいいなと思います。

――ビジネスの話が少し出ましたが、海外進出においてのビジネス戦略というものは考えていますか?

もちろん考えています。ヨーロッパに憧れでいくつもりはありません。アントワープで学んだというのも大きいですが、最初からグローバルなビジネスをしたいという思いがありました。アントワープで共に学んだ友人も名立たるメゾンで仕事をしていますが、海外のレーベルがすごいのはチームワークだと思います。それぞれの匠がみんな手を繋いでやっている。海外のメゾンと同等のものを築いていくには、チームが同じ理念を共有し、強さをもった人材を集めて行くことが必要になります。

――海外ブランドはチームワークが優れているということですが、具体的にはどういった部分が日本と違うのでしょうか。

バレンシアガやプラダなど本当に強いブランドと同じフロアで自身のブランドも展開してみて、この差は何だろうと考えた時期がありました。もちろん歴史というものがあるのですが、違いはやはり総合力だと思いました。アメリカに、「チェーンの強さは最も弱いリング次第」ということわざがあります。集団の力はそれを構成する最も弱いメンバーに左右されるということを意味していて、他がどんなに強くても一番弱いリングがある限り、そのチェーンはその弱いリング以上の強さを持てないという意味です。クリエーティブなデザイナー、パタンナー、それを支える経営のブレーンすべてが、チームには必要です。その全てを高い位置で備えたのが欧州のブランドだと思います。日本には、まだそういった海外のメゾンと肩を並べられるような“チーム力”を備えたブランドが少ないのが現状だと思います。

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