話題のステーキハウス「ピーター・ルーガー東京」のブティックがオープン。熟成肉やロゴ入りグッズも販売
FASHION HEADLINE / 2021年10月25日 15時0分
牛肉選びのこだわりは、ソルとマーシャの娘姉妹のマリリン・スピエラ(前社長)とエイミー・ルーベンスタイン(現社長)へと引き継がれました。そして現在では、エイミーに加え、マリリンの娘のであるジョディー、ジョディーの甥であるダニエルとデビットも経営に参加し、4人のオーナーファミリーが牛肉を選んでいます。彼らは、毎週、複数の牛肉卸業者に足を運び、「7つの基準」で選んだ牛肉に自分のスタンプを押します。これが、ピーター・ルーガーが購入した牛肉の目印です。70年以上の歴史の中で培われた信頼関係から、彼らはどのレストランよりも先に最高の牛肉を選ぶ権利を持つようになったのです。
秘伝のドライエイジング手法
マーシャは、牛肉の味を最大限に引き出すため、ドライエイジング(乾燥熟成)手法にも徹底的にこだわりました。マーシャによって考案されたドライエイジング手法は、現在も秘伝の手法として引き継がれています。本店の地下にある熟成庫には鍵がかけられ、独自のドライエイジ手法の全体像を知りうるのは、4人のファミリーオーナーと少数の調理スタッフのみです。
一般的に、ドライエイジング手法とは、温度、湿度、風を管理することで、牛肉本体の水分活性を促し、赤身肉のコアに向けてタンパク質とミネラルを凝縮させていきます。さらに、筋肉細胞に内在する酵素や特定の微生物によって生まれる酵素でタンパク質を分解し、旨味アミノ酸を劇的に増やし、柔らかでジューシーな肉質をつくります。
ピーター・ルーガーにおけるドライエイジング手法も基本的な考え方は同じですが、特別な管理手法と工夫によって、雑味を感じる不要な熟成臭を抑えることに成功しました。この秘伝の手法によって、ドライエイジビーフ特有の旨味と柔らかさを安定的に実現しつつ、牛肉本来の香りも楽しめる、最高のステーキが生まれました。
アメリカンステーキのパイオニア
ピーター・ルーガーにおけるステーキの提供方法は、長年の試行錯誤によって生み出されました。まずは、サーロインとフィレを同時に味わえるTボーン・ステーキというスタイル。今では、どのステーキハウスのメニューにも載っていますが、アメリカで最初に提供し、有名にしたのはピーター・ルーガーです。 次に、ステーキは900度まで上がる高熱ブロイラーで焼き上げられます。そして300度に熱したお皿にのせて提供され、お皿の縁でさらに肉を温めます。こうすることで焼き加減をゲストの好みに調整できるだけでなく、ジューッという肉を温める音がゲストの食欲をそそります。仕上げに旨みたっぷりの「ビタミン」と呼ばれる肉汁をかけます。
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