日本の文化、市場を足がかりにグローバルに向かう次世代シューズブランド【伊MICAMレポート】
FASHION HEADLINE / 2018年2月20日 19時30分
ハンドペイントに見える詩的なパターンをスニーカーに描き出すル・フロウ・パリ(Le Flow Paris)は2016年にデビューしたブランドながら、ファーストコレクションの「Cold Wave」でジバンシィ(GIVENCHY)とのコラボをはじめ、既に複数のラグジュアリーブランドとの取り組みもスタートしている。デザイナーのリオネル・フロッキ(Lionel Le Floch)は正式に靴のデザインを学んだことはなく、自身のバスケットボールの経験とヒップホップとジャズ、アートからの影響を靴のデザインに反映させているというが、写真家のケヴィン・クーリオ(Kevin Couliau)と日本の画家、アキヒト・タクマの影響が大きい、と本人は話す。ハンドペイントに見えるソールのパターンはインジェクションで、伝統的なスニーカーのテクニックを現代に応用し、アスレジャーと欧米でブームの墨絵が合体した超軽量のアートソールは新しいシグニチャーとして注目されている。
NY発のアジアンデザイナーが巻き起こす新しい流れ
同様に日本からの影響を話すのはNYをベースにブランドを展開するゼイニューヨーク(They New York)。NYでデザインとマーケティングを学んだアンジェラ&ジャック・リン兄妹(Angela and Jack Lin)のスニーカーはミニマムデザイン。その影響は「無印良品の原研哉と建築家の安藤忠雄」とジャックは話し、自社サイトは日本語でも表示される。
「実家は30年以上続く台中にある靴工場で、100%日本のブランドのOEM。父も祖父も日本語を話し、横浜に住んでいたこともある。これまで自社ブランドは手掛けたことがなかったが、バウハウスや日本の近代グラフィックや建築をコンセプトデザインに自分たちの思いを表現することを考えた。生産はすべて台湾の家族の工場。靴のシルエット内に縫い目のない熟練した職人による製法が特徴」と話す。
また、ミニマルで未来的なデザインを特徴とするアブセンス(ABCENSE)もYoyo PanとJhuosan Wang男女二人の台湾人のデュオブランド。さらに、スニーカーブランド、iRiは韓国人デザイナーのジャネット・ヤン(Janet Yeung)とラティフ・ナワブ(Lagtif Nawab)の男女デュオブランドと、アジアのデザイナーたちが昔からの技法とハイテクをハイブリッドさせて生み出す靴は、新しいマーケットを生み出しつつある。
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