竹久夢二の全貌を500点の作品で! 東京ステーションギャラリーで「夢二繚乱」開催
FASHION HEADLINE / 2018年3月15日 17時0分
JR東京駅、丸の内駅舎内の東京ステーションギャラリーでは、竹久夢二の展覧会「夢二繚乱」を、5月19日から7月1日まで開催する。
出版・印刷業が集積した全国有数の街として発展してきた、東京ステーションギャラリーのある千代田区。千代田区九段南にある出版社、龍星閣は、高村光太郎の『智恵子抄』の版元として知られているが、戦後、竹久夢二の画集を次々と出版し、第二次夢二ブームを牽引した存在でもある。本展は、夢二の著作や画集の出版のために龍星閣の創業者、澤田伊四郎が収集した1200点を超える膨大な夢二コレクションが千代田区に寄贈されたことを記念し、その精華を紹介する。
4章構成の本展、第1章は、「夢二のはじまり」と題し、夢二の原点に迫る。若かりし学生時代、新聞、雑誌に絵や詩を投書して糊口を凌いでいた夢二。転機となったのは、明治38(1905)年6月に『中学世界』夏期増刊「青年傑作集」へ投書したコマ絵「筒井筒」の第一賞入選、そして明治42(1909)年の『夢二画集 春の巻』の刊行だった。
若き日の夢二の姿を紹介すると同時に、初期の作例を通して、どのように画家として歩み始めたのかを探る。
本展では、早稲田実業学校に在学中に制作した肉筆の画文集『揺籃』を初公開。『揺籃』は、明治36(1903)年に制作された、外国文学の翻案や創作、さらに数点の挿絵を含む手書きの冊子。推敲の跡も生々しいこの試作からは、20歳の夢二の豊かな才能と、自分の創作を世に問いたいという強い願望を感じとることができる。
第2章は「 可愛いもの、美しいもの」。大正3(1914)年10月、日本橋呉服町に、夢二が正式に結婚した唯一の女性、岸たまきが主人を務めた「港屋絵草紙店」が開店。港屋は、夢二がデザインした千代紙、便箋や封筒、半襟などを販売するブランドショップであると同時に、恩地孝四郎や田中恭吉ら若い芸術家たちが集い、作品を発表できるギャラリーでもあった。この時期には「夢二式美人」のスタイルが確立されただけでなく、絵葉書、雑誌の表紙や挿絵、本の装幀など、多方面にわたって夢二は活動を展開させていた。自らの個展の開催にも意気込む一方で、鑑賞者や読者、女性や子どもの手に届く美術を提供し続けた夢二の幅広い画業を見ることができる。
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