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ポーランド女性作家の映像表現に注目した展覧会が東京都写真美術館で開催

FASHION HEADLINE / 2019年7月23日 11時0分

東京都写真美術館では、日本・ポーランド国交樹立100周年を記念して、東欧の文化大国ポーランドの1970年代以降の美術を、女性作家と映像表現のあり方に注目して紹介する展覧会「しなやかな闘い ポーランド女性作家と映像 1970年代から現在へ」を8月14日から10月14日まで開催する。

カロリナ・ブレグワ 《嗚呼、教授!》 2018年 Courtesy of the artist
20世紀のポーランド美術史・映画映像史は、数多くの男性の名によって語られてきた。しかし、ベルリンの壁崩壊後いっきに東側に流れ込んできたグローバル経済の波に参画し、EU加盟も果たした21世紀のポーランドにおいて、女性たちによる多くの表現が、特に映像表現の領域で存在感を放っている。と同時に、これまで十分に語られてこなかった、女性作家の映像を用いた表現の先駆例について再検証しようという流れが生まれている。

展覧会「しなやかな闘い ポーランド女性作家と映像 1970年代から現在へ」は、ポーランド国内外の研究者やキュレーター、関連機関との連携交流を通じて、ポーランドの1970年代からの美術の歩みを、その時代背景をふまえながら新たな視点で読み解く。そして、世代を異にする女性アーティストたちが、自身のおかれた社会環境を見つめ、それぞれの表現方法で発信する術を、いかに見出してきたかをたどる、きわめて意欲的な展覧会だ。

アンナ・クテラ 《対話》 1974年 Courtesy of the artist
みどころの一つは、ポーランド女性作家が選んだ「アート」という闘いかた。世界的に広まった#MeTooや日本の#KuTooなど、女性に関する問題は、いまも日常的に身近なところで起こっている。ポーランドでは伝統的な慣習が大切にされ、女性には「良き母」「良き妻」「良き娘」そして、「良き働き手」であることが理想として求められてきた。また、東欧と西欧の格差による差別や、多様な性への偏見といった根深い問題もあり、これらは時に、女性たちの自己実現を難しくしてきた。

このような目に見えないさまざまな問題と向き合うために、ポーランドの女性作家たちは、社会のなかで自分らしく生きるための術として、「アート」を必要とした。彼女たちが挑む、しなやかな闘いかたは、性別を越えて、私たちに、社会のなかで自分らしく生き抜くためのアイディアと希望を与えてくれるはずだ。

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