【コラム】パリコレ現地取材で見たベストコレクション “勝手になんでもランキング” 発表
FASHION HEADLINE / 2024年11月5日 11時0分
ベスト“見惚れちゃうほど神々しいセレブゲスト”:アクネ ストゥディオス
昨今のファッション・ウィークの話題といえば、なんといってもK-POPスターの来場です。ショーにセレブリティが来場すれば、それだけで注目を集めるのはもちろんですが、K-POPスターはファンの熱量が欧米のセレブリティのファンとは段違い。彼らの来場の瞬間を一目見ようと、前夜からショー会場周辺で待ち伏せるファンまでいるのです。
K-POPも映画スターも、セレブリティに詳しくない私にとっては、誰が来場していようと興奮しないのですが、なかには例外があります。日本人なら誰もが認める日本を代表するスター、宇多田ヒカルさん! 平成元年生まれの私にとっては超世代ですし、ファッションのイメージがそこまで強くないので、来場するとなればその意外性もあって大興奮させられました。以前に数回「サカイ」に来場し、今季は「アクネ ストゥディオス」のショーに初参加。撮影と取材はNGだったのですが、宇多田さんが座っているは私の座席からランウェイを挟んで向かい側! 隠し撮りチャンス、とも思いましたが、やはり撮影は控えました。もはやアーティストとしての存在が神格化しているから、遠くからでも神々しいオーラを放っているように感じられ、ショーの最中もついつい見惚れてしまいました。
ベスト“超現実主義的アルチザン”:ロエベ
絶好調の「ロエベ」は今季も期待を裏切ることがありません。コロナ禍以降に継続する“シュルレアリスム(超現実主義)”の美術様式を毎シーズン発展させており、今季は「あらゆるノイズを取り除いたとき、何が起きるのか? 」という疑問を出発点に、徹底的に限り削ぎ落として新たなシルエットを探求しました。
芸術家の絵画作品が投影された、美術館で購入できる土産品に着想を得たTシャツは、前面にフェザーをあしらいその上にプリントを施しています。ほぼトップスのマイクロミニ丈のドレスは、薄くスライスしたマザーオブパールをパズルのように繋ぎ合わせて作られており、照明を浴びて虹色の光を放り幻想的なムード。薄いシルクを手で丁寧に引き裂き、ポニーヘアー、オーガンジー、ケーブルと組み合わせた波打つ球根のような形のドレスは、3人の職人が10時間かけて制作したもの。
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