年金を月5千円増やすには、現役時代の年収はいくら上げればいいの?
ファイナンシャルフィールド / 2022年2月24日 13時10分
将来もらえる年金受給額について「年金を5千円増やすには年収はいくら上げる必要がある?」「国民年金と厚生年金の受給額の違いは?」など疑問をもっている方は多いのではないでしょうか。 現役時代の年収がいくら上がると年金がどれくらい増えるのか、知っておくことは大切です。 ここでは、年金を月5千円増やすために年収をいくら上げたらいいのか、解説します。
将来もらえる年金額とは
将来もらえる年金には、国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金)の2種類あります。年金保険料を全期間納付している場合、国民年金は満額時の受給額が誰でも同じです。一方、厚生年金は現役時代の年収によって受給額が異なります。
ここでは、国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金)の年金額や計算方法について見ていきましょう。
国民年金(老齢基礎年金)の満額時の受給額は同じ
国民年金(老齢基礎年金)は、20歳以上の方が全員加入する年金です。20歳〜60歳までの40年間の全期間、国民年金保険料(令和3年度:1万6610円)を納めた場合は、年金を満額受給できます。令和3年4月分からの満額時の年金額は78万900円(月6万5075円)です。
国民年金受給額の計算方法は「年金額(満額)×(保険料納付済月数÷480)」となるため、職業や年収などに関係なく、国民年金保険料を40年間(480ヶ月)納付している場合の受給額(満額)は、誰でも同じになります。
厚生年金(老齢厚生年金)の受給額は年収(保険料)によって異なる
厚生年金(老齢厚生年金)は、会社員や公務員が加入する年金制度で、受給額は年収(支払った保険料)によって異なります。厚生年金の受給額は「報酬比例部分の年金額+経過的加算+加給年金額」で計算され、受給額の大部分は「報酬比例部分の年金額」が占めるからです。
基本的には年収が多いほど厚生年金保険料は高くなり、年金受給額は増えます(上限あり)。
「報酬比例部分の年金額」は、以下のA+Bで求めることができます。
A:平成15年3月以前の厚生年金加入期間
・平均標準報酬月額×(9.5/1000〜7.125/1000 ※生年月日に応じて変わる)×平成15年3月以前の加入期間の月数
※平均標準報酬月額…平成15年3月以前の加入期間中の標準報酬月額の総額を平成15年3月以前の加入期間で割った額。
B:平成15年4月以降の厚生年金加入期間
・平均標準報酬額×(7.31/1000〜5.481/1000 ※生年月日に応じて変わる)×平成15年4月以後の加入期間の月数
※平均標準報酬額…平成15年4月以降の加入期間中の標準報酬月額と標準賞与額の総額を平成15年4月以降の加入期間で割った額。
「経過的加算」を求める方法は、以下のとおりです。
・定額部分相当の金額-78万900円×(昭和36年4月以降で20歳以上60歳未満の厚生年金保険の被保険者月数÷加入可能年数×12)
※定額部分は「1628円×生年月日に応じた率×被保険者期間の月数」
「加給年金額」は、65歳時点で厚生年金の被保険者期間が20年以上あり、所定の要件を満たす配偶者や子どもがいる場合は、加給年金額が加算されます。加算額は配偶者が22万4700円、1人〜2人目の子どもは各22万4700円、3人目以降の子どもは各7万4900円です。
年金受給額が月5千円増える年収シミュレーション
ここでは、三井住友銀行「年金試算シミュレーション」を用いて、年収別の年金額を試算します。
シミュレーションの条件は次のとおりです。
●35歳、男性
●会社員、独身
●就業年齢23歳〜60歳
●年収は常に一定と仮定
●年金保険料を全期間納付済の場合
年収別の年金受給額は、図表1のとおりです。
図表1
年収 | 年金額合計 | 厚生年金受給額 | 国民年金受給額 |
---|---|---|---|
300万円 | 12万2000円 | 5万8000円 | 6万4000円 |
305万円 | 12万3000円 | 5万9000円 | 6万4000円 |
310万円 | 12万4000円 | 6万円 | 6万4000円 |
315万円 | 12万5000円 | 6万1000円 | 6万4000円 |
320万円 | 12万6000円 | 6万2000円 | 6万4000円 |
325万円 | 12万7000円 | 6万3000円 | 6万4000円 |
330万円 | 12万8000円 | 6万4000円 | 6万4000円 |
335万円 | 12万9000円 | 6万5000円 | 6万4000円 |
340万円 | 13万円 | 6万6000円 | 6万4000円 |
345万円 | 13万1000円 | 6万7000円 | 6万4000円 |
350万円 | 13万2000円 | 6万8000円 | 6万4000円 |
※年金額は月額
※概算となりますので実際とは異なる場合があります。
上記のとおり、年収が5万円多くなると、厚生年金受給額が約1000円増えます。国民年金受給額は満額であれば一定です。そのため、年収が25万円多くなると、年金受給額が約5000円増えます。
現役時代の年収が25万円上がれば年金が月5千円増える
三井住友銀行「年金試算シミュレーション」によると、年収が25万円上がると、年金受給額が月5千円増えます。国民年金は満額時の受給額が誰でも一緒です。年収によって年金額が変わるのは厚生年金になります。
将来受け取る年金額が増えるように、年収アップを目指しましょう。
日本年金機構 国民年金保険料
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法
日本年金機構 老齢厚生年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)
三井住友銀行 年金試算シミュレーション
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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