貯蓄2000万円を達成できるのは年収いくらから?
ファイナンシャルフィールド / 2022年2月25日 0時40分
老後に2000万円の貯蓄がないと生活が厳しくなるという「老後2000万円問題」が2019年に金融庁の資料で話題になりました。収入が減ってしまう老後までに2000万円の貯蓄を目標にしている人も多いです。 では、貯蓄2000万を達成するには、年収がいくらあればよいのでしょうか。ここでは、65歳を目標として、年齢別に2000万円を達成できる年収について解説します。
2000万円を達成するために必要な年収を年齢別に紹介
・25歳独身で2000万貯めるために必要な年収
社会人になって3年程度の人は、まだ年収が低く、貯蓄ができないケースが多いです。25歳の単身世帯で全く貯金がない場合、65歳までに2000万円を貯めるには、毎月4万1667円の貯蓄が必要です。総務省が2020年に調査した家計調査(家計収支編)によると単身世帯の支出は1ヶ月あたり15万506円でした。必要な貯蓄額と支出を合わせて年間に必要な金額は230万円程度で、300万円の年収が必要です。
厚生労働省が令和元年に発表した賃金構造基本統計調査では、20代の年収中央値は250〜290万円。中央値よりも高い、300万円の年収を得ていないと2000万円を貯めるのは難しいです。
・35歳で家族を持つ人が2000万円を貯めるために必要な年収
35歳以上になると、家族を持ち、子どもが生まれ、教育費や生活費など負担が増大してくる時期でもあります。35歳で家庭を持っている人が65歳までに2000万円を貯めるには、貯金がないと想定して毎月5万5565円を貯めなければなりません。
総務省が2020年に調査した家計調査(家計収支編)によると二人以上の世帯の支出は1ヶ月あたり24万5278円でした。年間で必要な金額は361万円で、年収470万円あれば65歳までに2000万円を貯められます。賃金構造基本統計調査では、30代の年収中央値は330〜366万円のため、中央値以上の年収を得ていなければなりません。
・45歳で家族を持つ人が2000万円を貯めるために必要な年収
45歳になると、65歳まで20年間あります。子どもの教育費や住宅ローンなどで貯蓄がなかなかできない時期ですが、貯蓄が全くない場合、毎年8万3334円を貯めなければいけません。二人以上の世帯の支出に加えて、20代の2倍の貯蓄が必要となるため、年間で394万が必要です。年収は520万を超えていないとその金額を貯金するのは難しくなります。
40代になると、管理職などになり年収がアップする人も多くなりますが、年収中央値は397~433万円のため、夫婦共働きなどするなどして、年収をアップさせるなどの工夫が必要です。
・55歳で家族を持つ人が2000万円を貯めるために必要な年収
55歳になると、子どもが独立したり、教育費の負担が減るなどして、家計の負担が減る家庭が増えてきます。貯蓄をある程度している家庭も多いですが、貯蓄ができなかった場合には、65歳に向けてかなり高い貯蓄をしなければなりません。貯蓄がない場合には、10年間で毎月16万6667円の貯蓄が必要です。
50代では年収は最も高くなりますが、年収中央値は432~456万円。年間で494万円程度の資金が必要で、年収は650万円を超えていなければ達成が難しいです。
毎月の支出に加えて16万円以上の貯蓄が必要なため、固定費を減らし、共働きなどして収入を増やしましょう。60歳以上になると年収が下がる傾向にあるため、それまでどれだけ貯蓄できていたかが2000万円の貯蓄が可能かどうかを左右します。
貯蓄以外の方法で資産を増やす
メガバンクの金利は0.002%程度。大手銀行に100万円を預けても年間で20円未満の利息しか受け取ることはできません。効率的に資産を増やす方法に投資があります。
投資は元金を保証することはできず、株価や為替の動きで価格が変わるというリスクがありますが、年間で3〜5%の利回りが期待できることも多いです。投資に回す金額を増やせば増やすほど、合計の資産が増やせるため、投資を活用して資産形成を行う人も増加しています。NISAやiDeCoなど利益が非課税になる国の制度を利用すれば、投資のハードルも下がるでしょう。
年収のアップが期待できない人は、固定費の削減や副業などをして支出を減らし、収入を増やす努力をするとともに、投資を行って効率的に資産運用を行ってください。
2000万円を貯められる年収と貯蓄を始める年齢
2000万円を貯めるには、始める年齢や年収が大きく関係します。20代では300万円の年収があれば無理なく65歳までに2000万円を貯めることが可能です。55歳では、年収650万円以上なければ2000万円を貯めるのは容易ではないことがわかります。家族構成や年齢によって、支出が大きく変わりますが、固定費を減らし、投資などの資産運用と合わせて収入を増やすことで、2000万円の貯蓄は可能です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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