年次有給休暇以外の有給「特別休暇」を知っていますか?
ファイナンシャルフィールド / 2022年2月26日 0時30分
企業で働く方々が、働き過ぎを防いだり、資格を取るための勉強をする時間を確保したり、肉体的精神的に充実した生活を送れるように、年次有給休暇以外の有給の特別休暇制度を企業が制定することがあります。皆さんが勤める会社にはこのような制度はありますか?
特別休暇とは
年次有給休暇は入社して6ヶ月たたないと取得できません。例えば、入社して半年以内に病気になって会社を休まざるを得ない時、有給での休暇取得ができる制度があるととても安心です。
厚生労働省の「労働時間等見直しガイドライン」では、病気休暇、ボランティア休暇、リフレッシュ休暇、裁判員休暇、犯罪被害者等の被害回復のための休暇など、働く方々の個々の事情に対応した特別休暇制度を設定することを、企業に勧めています。
なお、特別な休暇制度(特に配慮を必要とする労働者に対する休暇制度)とは、休暇の目的や取得形態を労使による話し合いにおいて任意で設定できる法定外休暇のことです。
法定休暇 :年次有給休暇・生理休暇・育児休業・介護休業、等
法定外休暇:病気休暇・リフレッシュ休暇・裁判員休暇・ボランティア休暇・犯罪被害者等の被害回復のための休暇 等
(厚生労働省 働き方・休み方改善ポータルサイト「特別な休暇制度とは」より、一部引用・抜粋)
病気休暇
長期にわたる治療等が必要な疾病等、治療を継続しながら働く労働者をサポートするために与えられる休暇です。例えば、ガンなどの治療をしている方や、働きながら通院する方々が取得できる休暇を指します。通院のために取得できる特別休暇制度や、年次有給休暇とは別に利用可能な病気休暇のほか、療養後の負担を軽くするための短時間勤務制度も考えられます。
いまコロナ禍で、このような病気療養のための休暇が特に必要とされています。また、メンタルヘルス上の問題を抱えて、不本意に会社を休まれる方々もいらっしゃるかもしれません。
こうした方々をサポートするため、次のような病気休暇が考えられます。
・失効した年次有給休暇を組み立てることで、病気等で長期療養する場合に使うことができる失効年休積立制度
・治療・通院のための時間単位や半日単位で取得できる年次有給休暇
・一定の期間、所定労働時間を短縮する制度で、療養中・療養後の負担を軽減する短時間勤務制度
・私傷病の療養のために年次有給休暇とは別に使うことができる病気休暇
(厚生労働省 働き方・休み方改善ポータルサイト「特別な休暇制度とは」より、一部引用・抜粋)
ボランティア休暇
かつて東日本大震災や九州での大規模水害などの時、ボランティア活動を行う方々がたくさんいらっしゃいました。「ボランティア休暇」とは、働く方々、が自発的に無報酬で社会に貢献する活動を行う際、その活動に必要な期間について付与される特別休暇です。
企業のメリットとしては、ボランティア活動などを行う方々に対して、特別な休暇(ボランティア休暇等)を設定することにより、社会的貢献をしている企業として認知されることが挙げられます。
裁判員休暇
企業に勤める従業員が裁判員等に選ばれた場合には、裁判員等の仕事に必要な休みを取ることは法律で認められています(労働基準法第7条)。従業員が安心して裁判員等で活動できるように特別休暇「裁判員休暇」を設定することは、企業にとり有益なことです。
なお、従業員が裁判員として「公の職務の執行」にあたり、裁判員の参加する刑事事件に関する法律第100条により、労働者が裁判員としての職務を行うための休暇を取得したこと等により、解雇その他不利益な取り扱いをすることは禁止されています。
(厚生労働省 働き方・休み方改善ポータルサイト「特別な休暇制度とは」より、一部引用・抜粋)
犯罪被害者休暇
犯罪被害者等の被害回復のために特別休暇「犯罪被害者休暇」を設定している企業もあります。
例えば、犯罪被害による精神的ショックや身体的不調からの回復を目的として、治療のための通院や、警察での手続き、裁判への出廷のために利用できる特別休暇があると、従業員の精神的肉体的負担が軽減できて、就業員にとってとても安心できます。
上記のような事例に該当した場合、特別休暇が得られるのは本当にありがたいですね。まずは、皆さんの企業の就業規則を確認してみましょう。このような制度がない場合、制度の創設を、勤めている会社や労働組合に提案してみてはいかがでしょうか。
出典
厚生労働省 働き方・休み方改善ポータルサイト「特別な休暇制度とは」
執筆者:北山茂治
高度年金・将来設計コンサルタント
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