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失われた30年 日本人の年収はなぜ上がらないのか

ファイナンシャルフィールド / 2022年2月26日 23時40分

失われた30年 日本人の年収はなぜ上がらないのか

日本の平均賃金について「海外と比べて日本の平均年収は高い?」「日本の平均年収が上がらない理由は?」など疑問がある方は多いのではないでしょうか。   日本の平均賃金(年収)はこの30年間ほとんど変わっていません。2020年の平均賃金は調査対象国の平均値より低く、先進国の中で下位クラスでした。   ここでは、日本の平均賃金や日本の平均年収が上がらない理由について解説します。  

日本の平均賃金

経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本の平均賃金は1990年〜2020年の30年間でほとんど上がっていません。韓国やアメリカは200万円以上伸びているのに対し、日本はわずか18万円の伸びです。2020年の平均賃金は、先進国の中で下位クラスでした。他国と比べることで、日本の平均賃金の低さがわかります。
 
ここでは、日本の平均賃金について見ていきましょう。

 

平均賃金は先進国の下位クラス

経済協力開発機構(OECD)の調査によれば、2020年の日本の平均賃金は3万8515ドルです。1ドル=110円換算にすると、約424万円となります。調査対象35ヵ国の中で22番目であり、韓国よりも低い水準です。調査対象国の平均は4万9165ドル(1ドル=110円:約540万円)でした。
 
図表1は、主要国の平均賃金です。
 
図表1

米ドル 円換算(1ドル=110円)
日本 3万8515ドル 約424万円
アメリカ 6万9392ドル 約763万円
ドイツ 5万3745ドル 約591万円
イギリス 4万7147ドル 約519万円
フランス 4万5581ドル 約501万円
韓国 4万1960ドル 約462万円

 
日本は、先進国の中で下位クラスに位置しています。

 

1990年から日本人の年収は伸びていない

経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本の平均賃金は1990〜2020年でほぼ横ばいです。図表2は、日本の平均賃金の推移です。
 
図表2

米ドル 円換算(1ドル=110円)
1990年 3万6879ドル 約406万円
1995年 3万7934ドル 約417万円
2000年 3万8365ドル 約422万円
2005年 3万8879ドル 約428万円
2010年 3万8085ドル 約419万円
2015年 3万7265ドル 約410万円
2020年 3万8515ドル 約424万円

 
上記のとおり、1990〜2020年の30年間で平均賃金は約18万円しか上がっていません。
 
なお、韓国は1990年が2万1830ドル(約240万円)で2020年が4万1960ドル(約462万円)で、約222万円上がっています。アメリカは1990年が4万6975ドル(約517万円)、2020年は6万9392ドル(約763万円)で約246万円の上昇です。
 
日本人の平均年収はほとんど伸びていないことがわかります。

 

日本人の年収が上がらない主な理由

日本人の平均年収は、この30年間ほとんど上がっていません。年収が上がらない主な理由は経済が成長していないこと、終身雇用や年功序列賃金で雇用が守られることです。日本人の平均賃金の推移だけでなく、どのような理由で年収が上がらないのか知っておくことは大切です。
 
ここでは、日本人の年収が上がらない主な理由について見ていきましょう。

 

経済が成長していない

図表3は、1990年と2020年の国の経済規模を表す名目国内総生産(GDP)をまとめたものです。
 
図表3

1990年GDP 2020年GDP 30年間の伸び
日本 3196560 5045100 約1.5倍
アメリカ 963130 20893750 約3.5倍
中国 396590 14866740 約37倍
ドイツ 1598640 3843340 約2.4倍
韓国 283365 1638260 約5.8倍
フランス 1269140 624420 約2.1倍
イギリス 1193690 2709680 約2.3倍

※百万USドル
※GLOBAL NOTE「世界の名目GDP 国別ランキング・推移(IMF)」より
 
上記のとおり、1990年から2020年の30年間で、アメリカは約3.5倍、中国は約37倍、韓国は約5.8倍成長しているのに対し、日本は約1.5倍に留まります。
 
1990年から日本の経済はほとんど成長していないため、平均賃金も伸びていないことが考えられます。

 

雇用維持を優先するため

終身雇用と年功序列賃金が続いていることも、日本の年収が上がらない理由と言われています。経済が低成長にも関わらず雇用維持をしなくてはならないため、人件費を削減できません。ベテラン社員の年収を削減しづらいため、優秀な若手の年収アップも抑えられます。
 
このように、終身雇用と年功序列賃金により人件費削減や調整が難しい企業が多いことから、日本人の年収が上がらないとも考えられます。

 

経済成長がなく終身雇用・年功序列賃金などで日本人の年収は上がらない

2020年の日本の平均賃金は3万8515ドル(1ドル=110円:約424万円)で、先進国の中で下位クラスです。日本の平均賃金は1990年からの30年間で約18万円しか上がっていません。韓国は30年間で約222万円、アメリカは約246万円上がっています。
 
年収が上がらない主な理由は、経済の低成長や雇用維持の優先です。これら2つの改善は簡単ではないため、今後もしばらくは日本人の年収は上がらないことが予想されます。

 
出典
経済協力開発機構(OECD)「平均賃金」
GLOBAL NOTE「世界の名目GDP 国別ランキング・推移(IMF)」
BLOGOS「「日本人の給料はなぜ30年間上がっていないのか」すべての責任は日本銀行にある」
アゴラ「なぜ日本人の平均年収は韓国以下になったのか:『日本人の給料』」
東洋経済「日本人の給料がどうにも上がらない決定的な理由」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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