【年間6万円!?】これまで「専業主婦」だった人が中高年になってパートを始めると、将来の「年金額」はどれだけ増える?
ファイナンシャルフィールド / 2023年3月10日 11時0分
公的年金は基本的には65歳になれば受け取れますが、受給開始を遅らせる「繰下げ受給」も可能です。繰下げ受給をすれば毎月受け取れる年金額は増えますが、年金を受け取るまでの間は貯蓄を切り崩したり、働いたりして、収入を補う必要があります。 ずっと専業主婦(夫)だった人、少しだけアルバイトしたことがある程度の人の中には、中高年になってから働き方を変える人もいるでしょう。 そして、働き方次第では「社会保険」が適用され、自身で保険料を負担しなければならない場合もあります。手取りが減るなどの理由で保険料負担に抵抗がある人もいるかもしれませんが、保険料を負担すれば、将来的にはもらえる年金額は増加します。 本記事では中高年からパートを始めて、どれくらいもらえる年金額が増えるのか、支払った保険料に対して損か得かなどについて解説しています。
2022年10月の法改正により、厚生年金の加入対象が拡大
パートなどで働いている場合、全員が社会保険を負担するわけではありません。2022年10月以降、社会保険適用者の基準は下記(1)~(5)を全て満たす人とされています。
(1)労働時間が週20時間以上
(2)賃金が月8万8000円以上
(3)雇用期間が2ヶ月を越えて見込まれる
(4)学生ではない
(5)勤務する企業の従業員数が101人以上
条件を満たした場合、支払う保険料額はどれくらい増えるか
基準を満たせば社会保険に加入し、毎月保険料を支払わなくてはなりません。具体的には、厚生年金の保険料は標準報酬月額×保険料率で求められ、そのうちの半分は事業主が負担します。
保険料率は現在18.3% ですので、毎月の賃金が8万8000円の場合、毎月支払う保険料は8052円となります。 せっかく稼いでも保険料として引かれるのは嫌だ、という人もいるでしょうが、保険料を支払えば、もちろん将来受け取る年金額も増加します。
増える年金額はどれくらいか
毎月8052円の保険料を支払った場合、もらえる年金額はどれくらい増えるのか見ていきましょう。
この場合、毎年受け取れる年金の増加額は月収×5.481÷1000×加入月数で求められます。仮に60歳~70歳まで、毎月8万8000円稼ぎ保険料を支払っていたとすると、年額で5万7879円が受給額となります。
中高年からパートとして働き保険料を支払うのは得か損か
仮に60歳~70歳まで毎月8万8000円を稼ぎ、保険料を支払った場合、支払った保険料と受け取る年金額の増加分ではどちらが得なのでしょうか。
年金は生涯受け取ることができますが、仮に70歳から年金を受け取り、70歳の人の平均余命まで生きたとすると、20年間年金を受け取ることができます。(70歳女性の平均余命は約20年)
受け取った年金は5万7879円×20年=115万7580円です。一方、支払った保険料は8052円×12ヶ月×10年=96万6240円となります。つまり、トータルで19万1340円お得ということになります。
中高年からでもパートで長時間働くと生活はより安定する
中高年からとはいえ、働けばその分家計を助けられるだけでなく、今回見てきたケースでは将来の年金額も生涯で100万円以上増やすことが可能です。現在と将来の生活を安定させるために、中高年からでも働くことを検討してみても良いでしょう。
出典
日本年金機構 令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大
日本年金機構 厚生年金保険の保険料
日本年金機構 は行 報酬比例部分
厚生労働省 厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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