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生活が苦しいので給与の前借りを考えています。どのような点に注意したらよいでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2023年11月1日 7時20分

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給与をもらったけれど出費が多くて生活が苦しい、でも借金はしたくないといった場合、どのように対処すべきか分からない人もいるのではないでしょうか。もし勤務先から給与の前借りが可能であれば、選択肢の一つとなります。   そこで本記事では、給与の前借りについて解説します。

給与の前借りとは?

給与の前借りとは、これから得る予定の給与を事前に受け取ることを意味します。社内貸付制度ともよばれており、働いた実績がなくても会社から借り入れる形でお金を用意できる方法です。
 
給与の前借りをすることで利息が発生するかどうかなどの利用条件は、会社ごとに異なります。利息が発生するかしないかだけでなく、事前に利用条件を確認したうえで給与の前借りの手続きを進めるか決定しましょう。
 
なお、給与の前借りと前払いを混同しがちですが、これらはまったく別の行為です。前借りは働いて得る予定の給与を借りるのに対し、前払いは働いた実績に応じた給与相当額を給与支給日前に受け取る行為を意味します。前払いの場合は会社からお金を借りるわけではないので、利息の支払いや返済義務はありません。支払われる給与と前借りをした金額の差額が給与支給日に振り込まれます。
 

給与の前借りをする際の注意点

給与の前借りをする際には、以下のようなデメリットにもつながる注意点があります。

●単に生活が苦しいだけでは前借りはできない
●前借りできる金額には決まりがある
●勤務先に悪い印象をもたれる可能性が高い

給与の前借りをした結果、会社での立場が悪くなる、そもそも給与の前借りを利用できないケースもあります。注意点の内容を把握し、給与の前借りの必要性について考えてみてください。可能であれば、給与を前借りする以外の方法でお金を用意したほうがよいという考えになるかもしれません。
 

単に生活が苦しいだけでは前借りはできない

会社は給与の前払いについて、労働基準法の第25条で規定されている「非常時」に該当する場合に義務が発生するとされています。非常時の定義は、労働基準法施行規則で定められており、具体的には労働者あるいはその収入によって生計を維持する人が、以下に該当する場合です。

●出産
●病気
●結婚
●災害
●死亡
●やむを得ない理由で1週間以上帰郷する

単に浪費をしたり、高額商品の買い物をしたりしてお金がないという理由だけでは、非常時払いの詳細に該当しないため会社は前借りには応じる義務はありません。
 

前借りできる金額には決まりがある

給与の前借りができるのは、「前回の給与支給日の翌月から前借り申請日までの期間内の労働日数分」です。会社の給与支給日が毎月20日で、給与の前借り申請を行ったのが15日だとすれば、前借りの対象となるのは1ヶ月分の給料から残り5日分の稼働日数を差し引いた金額となります。
 
なお、「残り5日しかないから1ヶ月分相当の給与を振り込む」と言ってきた場合でも、受け取らないようにしましょう。すでに伝えた、前回の給与支給日の翌月から前借り申請日までの期間内の労働日数分という要件を満たさず、会社側が労働基準法で定めた規定に反するためです。
 

勤務先に悪い印象をもたれる可能性が高い

いくら給与の前借りが認められているとはいえ、前借りの申請を行えば会社から悪い印象をもたれる可能性も高いです。どの会社でも、給与の前借りの制度を利用する人より利用しない人のほうが多いでしょう。どんな理由があるにせよ「お金のやりくりができていない」「計画性がない」と思われてしまうかもしれません。
 
災害や死亡などの非常時かつ緊急性の高いものならまだしも、結婚や出産といったライフイベントについては事前に把握できることです。前借りをするのではなく、普段から計画的に貯金しておくことを心掛けてください。
 

給与を前借りする方法とは?

給与の前借りをする際には、最初に直属の上司や担当部署の責任者、経理部の担当者などに相談します。手続きの方法は会社によって異なる手順を設けるケースが多いですが、申請書などの書類提出を求められるでしょう。必要書類を提出し、会社が前借りを正式に認めたら実際に給与の前借りをする流れです。その後は、事前に決めた方法にて前借りした給与を返済していってください。
 

賃金の非常時払いに該当すれば給与の前借りができる

労働基準法の第25条で規定されている「非常時」の詳細に該当していれば、給与の前借りが可能です。個人的な趣味に使った、ただ単に生活ができないといった理由では、給与の前借りはできないので注意してください。また、給与の前借りは借金でもあるので、返済義務が発生します。
 
給与の前借りは会社に相談、申請手続きを行わなければなりませんし、手間や時間がかかる場合があります。親や兄弟などから借りるのがよいでしょうが、それもできない場合は、即日融資や無利息のカードローンの利用など他の方法を検討してみるのもよいかもしれません。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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