【堅実VS見栄】 「自分の将来」より「他人からの評価」を優先すると生まれる差とは
ファイナンシャルフィールド / 2023年11月1日 8時20分
他人から自分がどう見えているかは、気にしないつもりでも、ときに気になることもあるのではないでしょうか。他人からの評価を気にするあまり堅実さを失い、身の丈にあわない振る舞いをして後悔することもあるかもしれません。 そこで本記事では、自分の身の丈にあった堅実な将来よりも、他人からの評価を優先し見栄を張った暮らしをした場合に、将来的にどのような差が生まれるのかについて解説します。
どのような場面で見栄を優先しそうになるのか
普段はまわりの目を気にしない人でも、場面によってつい見栄を張りそうになることがあるかもしれません。例えば車を購入する場合に普通車か軽自動車を選ぶ場面、住宅購入でマンションか持ち家か、マンションの場合は高層マンションを選びそうになるなど、見栄を張りそうになる場面は私たちの暮らしにも潜んでいます。
このように「自分の現状や将来をしっかり見据えて堅実な出費をすること」と「他人からの評価を気にして無理な出費をしてしまうこと」を選択する機会は、個人の属性によって多くのパターンがあるものと考えられます。
また、やむを得ず他人からの評価を気にしなければいけない(恋人から「軽自動車には乗ってほしくない」と言われるなど)場合や、自分の憧れ・こだわりから無理をした出費を選んでいる場合もあります。
堅実VS見栄の現実的なシミュレーションをしてみよう
ここからは、堅実な暮らしと見栄を張った暮らしでそれぞれにおける出費(初期投資や維持費)によって、どの程度の差額が生まれるのか現実的な範囲でシミュレーションしてみます。一例として、自動車購入の場面で普通車と軽自動車にかかる税金について試算してみましょう。
●取得時(自動車税環境性能割):取得価格×0~3%
●新車登録時+車検時(エコカー減税+自動車重量税):車両重量(0.5トン毎/年)に応じて
・2500円(エコカー/本則税率)
・4100円(非エコカー)
・5700円(13年経過車)
・6300円(18年経過車)
●毎年必要な自動車税種別割:総排気量に応じて2万5000円~11万円
●取得時(軽自動車税環境性能割):取得価格×0~2%
●新車登録時+車検時(エコカー減税+自動車重量税):1年ごとに以下の定額
・2500円(エコカー/本則税率)
・3300円(非エコカー)
・4100円(13年経過車)
・4400円(18年経過車)
●毎年必要な軽自動車税種別割:1万800円
※出典:経済産業省「自動車関連税制(自動車重量税、自動車税・軽自動車税(環境性能割、種別割))」
普通車と軽自動車では車本体の購入金額の差もありますが、その後の維持費についても大きな差があります。分かりやすい点でいえば、毎年かかる税金(自動車税種別割と軽自動車税種別割)です。普通車の場合は、総排気量によって2万5000円~11万円が必要です。
一方軽自動車では一律1万800円となっており、普通車の税額で最も低い2万5000円の半分以下の税額で済みます。また、車検時に必要な重量税に関しても、普通車のほうが金額は大きく、継続的に発生する維持費全体を考えても普通車のほうが費用はかかるといえます。
差額を積み立てていると将来こうなる
前述の例をもとに考えると、見栄を張って普通車を購入した場合は車の購入代金だけでなく、その後の継続的な維持費にも大きな差が出てきます。自動車税種別割の最も低い額である2万5000円と、軽自動車種別割の一律年額である1万800円では、約1万4000円の差があります。
この差額を年利3%で10年間積み立て投資に充てた場合、金融庁の「資産運用シミュレーション」によると、最終積立金額195万6380円という結果になりました(元本168万円、運用収益27万6000円)。
この試算はあくまでも種別割だけの比較ですが、車の購入代金や他の税金や維持費などの差額も合わせると、将来的に大きな差になるといえます。
まとめ
他人からの評価は全く気にしないと強く思える場合はよいですが、その場の雰囲気や環境などからついつい見栄を張ってしまいそうになることもあるでしょう。そのような場面になったときは、概算でもよいので簡単なシミュレーションをしてみることをおすすめします。小さな差額であっても、将来的には大きな差になります。
時間がある場合には、本記事のシミュレーションでも使用した金融庁の「資産運用シミュレーション」で差額を積み立てた場合の将来価格を確認してみることも、あわせておすすめします。具体的な数字を見ると、堅実を選ぼうと考えるのではないでしょうか。
出典
経済産業省 自動車関連税制(自動車重量税、自動車税・軽自動車税(環境性能割、種別割))
金融庁 資産運用シミュレーション
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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