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【扶養範囲内のパート】103万円と130万円の壁はどう違う? どちらが得ってあるの?

ファイナンシャルフィールド / 2023年11月1日 9時40分

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扶養範囲内でパートをすることを考えたときに「103万円の壁」「130万円の壁」について目にする人は多いでしょう。それぞれどのようなものなのか、どちらを気にすればよいのか悩む人もいるのではないでしょうか。   そこで本記事では、103万円の壁、130万円の壁を中心に、どのような「壁」で意識するとどのような点が得なのかや、超えると得な点をまとめました。

103万円の壁は所得税課税のボーダーライン

いわゆる「103万円の壁」とは、給与所得に所得税が課税されるかどうかのボーダーラインです。パートなどの給与が年間103万円以下でほかに収入がない場合、所得控除(給与所得控除55万円と基礎控除48万円)を差し引いた課税所得が0円となるため、所得税がかかりません。
 
103万円の壁を超えないように働くと、主に以下の2つの点でお得といえます。
 

所得税が非課税

パートの年収を103万円以下に抑えると、所得税がかかりません。年収が103万円を超えると、103万円を超えた部分に対して最低で5%の所得税が課税されるため(所得控除が給与所得控除と基礎控除のみの場合)、働いた時間に対する手取り額は減ることとなります。
 

配偶者控除の対象になる

パートの年収が103万円以下の場合、配偶者の所得税や住民税を計算する際に配偶者控除の対象となり、最大38万円の控除があります(配偶者の所得金額が1000万円以下の場合)。年収が103万円を超えても201万6000円までは配偶者特別控除の対象となりますが、控除額は段階的に減るため節税効果は低くなります。
 

130万円の壁は社会保険の扶養から外れるボーダーライン

「130万円の壁」とは、社会保険の扶養から外れる年収の基準です。年収130万円以上になると、原則として配偶者の扶養から外れて、自分で社会保険料を負担する必要があります。
 
130万円の壁を超えないように働くメリットは、社会保険料を負担することなく、配偶者加入の医療保険を利用できることや、国民年金第3号被保険者の資格を得られる点です。また、社会保険料の負担がない分、130万円の壁を少し超えるケースと比べて手取りが多くなる逆転現象も生じます。
 
反対に、130万円の壁を超えて扶養を外れ、勤務先の社会保険に加入するようになると、保険料の負担が増える反面で次のようなメリットがあります(勤務先や働き方によっては社会保険に加入できない場合もあります)。
 

公的な保障が手厚くなる

厚生年金・健康保険に加入すると、以下の社会保障の対象になります。

●傷病手当金:業務外の事由で働けなくなった期間の保障
●障害厚生年金:障害基礎年金への上乗せおよび保障対象外の範囲の保障
●遺族厚生年金:加入者が亡くなった場合の遺族基礎年金への上乗せ

万が一のときの本人や遺族への給付が手厚くなることは、大きなメリットといえるでしょう。
 

老齢厚生年金をもらえる

厚生年金に加入すると、老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金を受給でき、老後の収入を充実させられます。
 
老齢基礎年金は収入額にかかわらず保険料納付期間に応じた金額しか支給されませんが、老齢厚生年金は収入が増えるほど比例的に受給額が増える仕組みです。保険料の負担は増えますが、半分は会社負担となり、従業員の負担は抑えられています。
 

106万の壁にも注意

「106万円の壁」とは、短時間労働者に社会保険が拡大して適用される条件をいいます。次の条件に当てはまると、130万円の壁を超えていなくても社会保険の加入対象となり、扶養から外れて社会保険料を負担しなければなりません。

●事業所の従業員数が101人以上(適用事業所)
●週の所定労働時間20時間以上
●所定内賃金が月額8万8000円(年額約106万円)以上
●雇用見込み期間2ヶ月以上
●学生ではない

社会保険に加入すると、社会保障や老齢年金が手厚くなるメリットがあるものの、働いた時間に対する手取り額は減ってしまいます。従業員規模が101人以上の職場で働く場合は、130万円の壁よりも106万円の壁を意識する必要があるでしょう。
 

103万と130万の壁、どちらが得かはこだわるポイントで異なる

103万円の壁と130万円の壁のどちらを意識するのが得かは、何に一番こだわるかで異なります。「収入は少なくてもいいから節税したい」という人は103万円以下、「ある程度収入はほしいけれど扶養は外れたくない」という人は130万円未満(事業所などの条件によっては106万円以下)を収入の目安とするとよいでしょう。
 
また、いざというときの保障や老齢年金を見ると、長期的には130万円を超えて収入を増やしたほうが得ともいえます。現在の家計の状況だけでなく将来の備えも含めて、配偶者と話し合って働き方を検討しましょう。
 

出典

国税庁 家族と税
国税庁 No.1191 配偶者控除
厚生労働省 社会保険適用拡大ガイドブック
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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