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大企業は安泰で勝ち組は古い!? 大手企業で出世コースを外れたベテランに忍び寄る落とし穴

ファイナンシャルフィールド / 2023年11月6日 2時50分

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日本の終身雇用体制は、大きな転換点を迎えています。報道によると、労働市場の硬直性が指摘され、大手企業でも希望退職の募集が見られるなか、政府は退職金制度の改革を進めています。   これは、岸田文雄首相が提唱する「新しい資本主義」の一環であり、労働市場の大改革を目指すものです。   一方で、出世の難しさが浮き彫りになり、昇進できない社員が直面するリスクは増大しています。給料の伸び悩み、子会社への異動、そして希望退職のリスクなどです。これらの動きは、日本の雇用習慣にどんな変化をもたらすのでしょうか。   そして社員にとって、どのような対策が求められるのでしょうか。本記事では、これらの変化とその影響について詳しく解説します。

日本の終身雇用は崩壊するのか?

政府は退職金制度の改革を進め、勤続年数による税制の格差を見直していく方針を決めています。現行制度では、同一企業で20年以上勤めた者が退職一時金を受け取る際に税負担が軽減される仕組みがあります。
 
退職所得控除の額は勤続年数によって大きく変わり、勤続20年までは年ごとに40万円、20年超では70万円です。この制度は終身雇用を前提としており、転職を妨げる一因となっています。
 
そこで政府が現在力を入れているのが、労働市場の大きな改革です。終身雇用や年功序列など日本型雇用は、成長分野への労働移動を妨げるといったデメリットが顕在化しているといわれています。
 

退職金制度の見直しの目的は?

退職金制度の改革は、岸田文雄首相の提案する「新しい資本主義」の枠組みの一部として進行中です。この改革は、「三位一体」改革の一環として、リスキリング(再学習)、明確な職務内容と成果ベースの評価を目的とする「ジョブ型」の採用、そして成長分野への労働力のスムーズな移動を目指しています。
 
この政策は、高度成長期に形成された終身雇用と年功序列を中心とした雇用習慣を再評価し、転職の障害を取り除くことで労働力の流動性を促進することを目的としています。特に、IT(情報技術)のような成長産業への人材流入は、賃金の上昇に寄与すると期待されています。
 
リスキリング支援策においては、以前の企業主導型から個人への直接支援に焦点を移し、職務内容を明確にし報酬を提供する「ジョブ型」の普及を推進する計画が進められています。これらの改革は、労働市場の活動を活性化し、生産性を向上させることで、日本の企業文化と労働環境を現代の要求に合わせる重要なステップとなるでしょう。
 

大手企業における出世難とそのリスク

大手企業で働く社員にとって、出世は重要な目標の一つとされています。しかし、全ての社員が昇進するわけではなく、出世できない社員はいくつかのリスクに直面する可能性があります。
 
一つ目のリスクは、給料の伸び悩みです。日本全体で、給料が上がっていない現実があります。多くの企業では、昇進することで給料がアップする仕組みとなっています。昇進できない社員は、給料の増加が見込めず、生活費の増加や将来のリタイアメント計画に影響を受ける可能性があります。
 
二つ目のリスクは、子会社や関連会社への異動指示が出されることです。出世競争が激しい大手企業では、時折、パフォーマンスが低かったり、昇進の見込みが低い社員に対して子会社への異動を指示したりすることがあります。
 
これはキャリアにとって逆風となる可能性があり、新しい環境での再スタートは精神的にも困難を伴うことがあります。
 
三つ目のリスクは、希望退職のリストに名前が載せられることです。特に経営環境が厳しい時期やリストラが行われる際、出世できない社員は希望退職の対象となるリスクがあります。希望退職のリストに載ると、それは間接的に退職を促すサインとなり、社員にとっては非常にストレスフルな状況を生む可能性があります。
 
以上のように、大手企業で出世できない社員は、経済的、精神的なリスクを伴う可能性があります。企業は出世の機会を公平に提供し、出世できない社員に対してもキャリア開発の支援を提供することが求められています。これにより、社員のモチベーションを維持し、企業の持続可能な成長を支援することができます。
 

まとめ

本記事では、大手企業での出世コースを外れた従業員に対するリスクなどを解説しました。日本の終身雇用体制が変わりつつあり、大手企業でも希望退職の募集が増えています
 
一方、出世の難しさが問題化し、昇進できない社員は給料の伸び悩みや子会社への異動、希望退職のリスクに直面しています。これらの動きは日本の雇用習慣に影響を与えるでしょう。
 
企業は出世の機会を公平に提供し、キャリア開発の支援を提供することで、社員のモチベーションを維持し、企業の持続可能な成長を支援することが期待されています。日本の労働市場の変化と社員のキャリアに与える影響について、さらなる議論と対策が必要となっています。
 

出典

国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)
内閣官房 三位一体の労働市場改革の指針
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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