新NISAの投資信託。銘柄選びはどうすればいい?
ファイナンシャルフィールド / 2024年1月29日 23時10分
2024年1月1日から新NISAがスタートしました。これまでのNISAと異なり、合計1800万円まで非課税で保有できることになりました。 1年間での投資枠は、成長投資枠240万円プラスつみたて投資枠120万円になりますが、つみたて投資枠での運用が中心という人も多いのではないでしょうか。 今回は、つみたて投資の中心となる投資信託の銘柄選びについて学んでみましょう。
NISAつみたて投資枠で購入・保有できる投資信託
NISAのつみたて投資枠を使って購入・保管できる投資信託は、金融庁の指定する投資信託銘柄に限られます。2024年1月現在の銘柄数は280本(※1)となっています。
表は(※1)に基づき筆者が作成
投資地域では国内外型が、運用商品では株式型が多いのが一つの特徴です。その中で、バランス型とも言われる資産複合型の国内外が最も多く、リスク回避を優先する一般投資家への対応が読み取れます。
今回は、この280本のなかからどのようにして購入・保有する銘柄を選ぶかということを、見ていきましょう。
つみたてNISAで購入投資する投資信託の選び方
投資信託を購入する際、一般的には、NISA口座を開設している金融機関(銀行・証券会社)の推奨する銘柄を選ぶことが多いと思います。
では、推奨された銘柄について他の銘柄と比較・検討したり、自分で投資信託の銘柄を選ぶような場合にはどうすれば良いのでしょうか。金融庁指定のNISAつみたて投資信託については、投資信託協会の「投信総合検索ライブラリー」(※2)を使うという方法があります。
投資信託協会投信総合検索ライブラリーの検索方法
このサイトで「NISA」を選択すると、NISA対象銘柄に絞り込んだ検索条件のページが出て来ます。ここで、「投資対象資産」「投資対象地域」「インデックス区分」「運用会社・販売会社」を選択することになります。
これらの言葉の意味は投資をするうえで学んでおいた方が良いですが、今回はどのような条件にすればよいかを以下に簡単に説明します。
・「投資対象資産」の種類は、今回は株式型と資産複合型(バランス型)を選択します。
・「投資対象地域」は国内、海外、国内外の3つから選択します。
・「インデックス区分」にあるインデックスファンドとは、「日経平均」「TOPICS」などの株価指数に連動した投資信託のことで、運用コストが低く市場の平均値のため、アクティブファンド(積極運用)と比較されます。
実際の検索例を見てみましょう。検索例は以下の表の〇印のように選択しました。
表は(※2)に基づき筆者が作成
運用会社と販売会社は「指定なし」、NISA分類は「つみたて投資枠対象」としました。検索結果は、「基本情報」や「運用実績」が銘柄ごとに表示されます。つみたてNISA投信は分配金のない銘柄が選ばれているので、基本情報と運用実績の2つを見れば良いでしょう。
投信の検索結果例
「検索」をすると以下の表のような検索結果が表示されます。
表は(※2)に基づき筆者が作成
基本情報では、「ファンド名」「商品分類」「基準価格」「騰落率(3年)」「信託報酬」「純資産額」が表示されており、各項目の欄にある「▲」「▼」をクリックすると、ランキングで表示されます。
また、運用実績では、「リスク(標準偏差)」「シャープレシオ」が表示されます。
標準偏差は、その数値が大きいほどリスクが大きく、小さければリスクも小さいことを示しています。シャープレシオは、この数値が高いほどリスクを取ったことによって得られた超過リターンが高いこと(効率よく収益が得られたこと)を意味します。
この表では、基準価格、3年間の騰落率、運用管理費用(信託報酬)、純資産総額が表示されています。この表のランキングは、純資産総額の大きい順になっていますが、適宜変えることは可能です。
また、キーワードの欄に検索したいファンド名を入力すれば、そのファンドの上記項目のデータが表示されます。金融機関から推奨された投資信託銘柄について、同じようなファンドとの客観的な比較ができるわけです。
さらに、運用実績を見てみると、リスクを示す標準偏差やシャープレシオも表示されますが、今回はリスクの比較的低い資産複合型を選んでいますので、特にシャープレシオの数値は低く出ています。こういった要素を比較・検討することで、自分が購入したい投資信託が分かりやすくなると思います。
まとめ
NISAやiDeCoの運用銘柄選びに困っている人も多いことでしょう。金融商品について多少の知識を持つことは、これからの時代を生きて行くうえでの知恵の一つです。
今回は、投資信託協会のネットで公開されている検索ツールに基いて取り組む場合の手順を紹介しました。気になった方はぜひ試してみてください。
出典
(※1)金融庁 つみたてNISA対象商品届出一覧
(※2)投信総合検索ライブラリー 投資信託協会
執筆者:植田英三郎
ファイナンシャルプランナー CFP
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