定年後、息子夫婦と「同居」することに。息子夫婦に毎月いくら渡すのが「妥当」でしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年2月1日 1時20分
息子夫婦との同居にあたり、費用負担について心配している方は多いでしょう。息子夫婦と直接話し合う前に、一定の知識を身につけてシミュレーションを行っておくことは重要です。 本記事では、二世帯住宅における費用負担の割合について詳しく解説します。また、現役世代と老後世代の家計収支についても紹介します。本記事を参考にして、息子夫婦に渡す金額をシミュレーションしてみてください。
二世帯住宅における費用負担の割合
住環境研究所の「同居・二世帯の住まいづくりと家計」によると、二世帯住宅における費用負担の割合は、表1のとおりです。
【表1】
食費 | 電気代 | |
---|---|---|
【分担】世帯別に負担する | 44% | 25% |
【分担】自分たちが負担し、同居家族から費用をもらう | 23% | 14% |
【分担】同居家族が負担し、同居家族に費用を渡す | 3% | 3% |
同居家族がすべて負担する | 4% | 7% |
自分たちの世帯がすべて負担する | 25% | 51% |
その他 | 1% | 0% |
※住環境研究所「『同居・二世帯の住まいづくりと家計』調査について」を基に筆者作成
親世帯と子世帯での費用分担割合は、食費が70%、電気代が42%です。多くの二世帯住宅で費用が分担されていることが分かります。
現役世代と老後世代の家計収支
現役世代と老後世代の家計収支を理解することで、息子世帯へ毎月渡す金額を計画する際のシミュレーションが容易になります。また、負担金額を息子世帯と協議する際に、役立つことでしょう。自分たちの家計を見直すきっかけになるかもしれません。
本項では、総務省統計局の調査を基に、現役世代と老後世代の家計収支について詳しく紹介します。
現役世代の家計収支
総務省統計局の「家計調査(家計収支編)2022年(令和4年)家計の概要」によると、現役世代の1ヶ月あたりの収入は61万7654円で、非消費支出(税金など)が11万6740円、消費支出が32万627円となっています。これにより、毎月18万286円の黒字が生じています。
収支の内訳は、表2のとおりです。
【表2】
収入 | 支出 | ||
---|---|---|---|
実収入 | 61万7654円 | 消費支出 | 32万627円 |
非消費支出 | 11万6740円 | ||
実収入の内訳 | 消費支出の内訳 | ||
勤め先収入 | 56.4万円 | 食費 | 8.0万円 |
その他 | 5.3万円 | 住居費 | 2.0万円 |
水道光熱費 | 2.4万円 | ||
家具・家事用品費 | 1.3万円 | ||
被覆及び履物費 | 1.1万円 | ||
保健医療費 | 1.3万円 | ||
交通・通信費 | 5.0万円 | ||
教育費 | 1.8万円 | ||
教養娯楽費 | 2.9万円 | ||
その他 | 5.8万円 |
※総務省統計局「家計調査(家計収支編)2022年(令和4年)家計の概要」を基に筆者作成
※1000円未満の端数切り捨て
※二人以上の世帯のうち勤労者世帯の場合
老後世代の家計収支
総務省統計局の「家計調査(家計収支編)2022年(令和4年)」によると、65歳以上の世帯の収入は24万6237円で、非消費支出(税金など)は3万1812円、消費支出は23万6696円でした。これにより、毎月2万2270円の赤字が発生しています。
収支の内訳は、表3のとおりです。
【表3】
収入 | 支出 | ||
---|---|---|---|
実収入 | 24万6237円 | 消費支出 | 23万6696円 |
非消費支出 | 3万1812円 | ||
実収入の内訳 | 消費支出の内訳 | ||
社会保障給付(年金) | 22.0万円 | 食費 | 6.7万円 |
その他 | 2.6万円 | 住居費 | 1.5万円 |
水道光熱費 | 2.2万円 | ||
家具・家事用品費 | 1.0万円 | ||
被覆・履物費 | 0.4万円 | ||
保健医療費 | 1.5万円 | ||
交通・通信費 | 2.8万円 | ||
教養娯楽費 | 2.1万円 | ||
その他 | 4.9万円 |
※総務省統計局「家計調査(家計収支編)2022年(令和4年)」を参考に筆者が作成
※1000円未満の端数切り捨て
※65歳以上の夫婦のみの無職世帯の場合
住環境研究所の「同居・二世帯の住まいづくりと家計」の調査結果にもとづき、息子夫婦に食費と水道光熱費を毎月渡す場合、その金額は月8.9万円になります。
息子夫婦と話し合い、お互いに納得できる金額に近づけることが大切
息子夫婦と同居する場合、費用負担については、しっかりと話し合いが必要です。特に、毎月の収支が赤字の場合や赤字になりそうな場合は、状況を説明し、できるだけ負担を軽減してもらうように協議する必要があります
自分たちの家計収支を確認した上で、息子夫婦と協力して、お互いが納得できる金額に近づけることが重要です。
出典
住環境研究所 「同居・二世帯の住まいづくりと家計」調査について
総務省統計局 家計調査(家計収支編)2022年(令和4年)家計の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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