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高齢で「貯金もなく年金も少ない」です…病気になったら「生活保護」で生きていけますか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年2月27日 10時10分

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定年後に受け取る年金の額が少ないと、老後の生活に不安を感じることもあると思います。特に貯金がない場合は、万が一病気で働けなくなったら、生活保護に頼ることも検討しなければならないかもしれません。   本記事では「年金受給者が生活保護を受けることは可能なのか」「生活保護を受けると医療費がかからなくなるのか」ということについて、東京都に住む単身高齢者の平均生活扶助額とともにご紹介します。

年金を受給していても生活保護は受給できる?

厚生労働省によると、生活保護は「すべての資産や能力を活用しても、収入が最低生活費に満たない人」が受給対象となります。「すべての資産や能力の活用」とは、以下のようなことをいいます。
 

・預貯金や不動産などの資産がある場合は活用する
・働ける場合は能力に応じて働く
・年金や手当などの給付を受けられる場合は優先して受ける
・親族などに援助を依頼できる場合は依頼する

 
「最低生活費」とは最低限度の生活を送るために必要な費用のことで、以下を合計したものです。
 

・生活扶助基準(第1類+第2類)+特例加算(1人当たり月額1000円)+生活扶助本体における経過的加算
・加算額
・住宅扶助基準
・教育扶助基準、高等学校等就学費
・介護扶助基準
・医療扶助基準

 
つまり、年金をもらっていても、その額が最低生活費を下回っている場合は、生活保護の対象になると考えられます。その場合、最低生活費から年金受給額を差し引いた金額が、保護費として支給されます。
 

生活保護を受けると医療費は無償になる?

生活保護制度により提供される扶助の一つに「医療扶助」があります。医療扶助は、診察費や薬代、手術費のほか、自宅療養や入院における療養上の管理および世話にかかる費用、通院にかかる交通費などが範囲となり、現物支給されます。
 
原則として、生活保護の指定を受けた医療機関で受診しなければなりませんが、自己負担なく医療を受けることが可能です。
 

東京都の単身高齢者が受け取れる生活扶助額

厚生労働省が公表している「生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(令和5年10月)」を基に、東京都の単身高齢者が受け取れる生活扶助額を計算していきましょう。級地は地域によって異なるため、今回は東京23区を例にして「1級地-1」の場合とします。
 
単身者の場合は「生活扶助基準(第1類+第2類)+特例加算(1人当たり月額1000円)+生活扶助本体における経過的加算」で計算するため、表1を参考にして、計算式に年齢を当てはめていきましょう。
 
表1

年齢 第1類 第2類 特例加算 経過的加算 合計
65~69歳 4万6460円 2万7790円 1000円 1630円 7万6880円
70~74歳 4万6460円 0円 7万5250円
75歳~ 3万9890円 3220円 7万1900円

※厚生労働省「生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(令和5年10月)」を基に筆者作成
 
東京都23区に住む高齢単身者が受け取れる生活扶助額は、7万円台であることが分かります。これに、ほかの扶助を合計して、年金との差額分が支給されます。
 

病気になっても生活保護で暮らしていける可能性はある

年金を受給していても、最低生活費を下回っていれば、生活保護を受給できる可能性があります。
 
また、生活保護では医療扶助も受けられて、医療費が無料となりますので、万が一病気になったときでも安心です。単身高齢者の場合は、生活扶助をいくら受け取れるのか計算して、貯金がなくても暮らしていけるのかを確認しておくといいでしょう。
 

出典

厚生労働省
 生活保護制度
 生活保護制度の現状等について 10 生活保護の医療扶助について(18ページ)
 生活扶助基準額について 生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(令和5年10月)
 お住まいの地域の級地を確認
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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