上司が1時間に1回は「たばこ休憩」を取っています。トータルでかなり休憩していることになるので「不公平」じゃないですか? 自分も同じだけ休憩をとっても良いでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月7日 4時20分
喫煙者は多くの職場にいて、仕事中にたばこ休憩と称してたばこを吸いに行く光景を見ることはよくあります。しかし、たばこを吸わない人からすると仕事中に何度も休憩するのはずるいと感じることがあり、たばこ休憩が労働時間に含まれるなら、労働時間に不公平感を抱く人は多いでしょう。喫煙者がたばこ休憩をするなら、非喫煙者に対しての配慮が必要になるでしょう。 本記事では、たばこ休憩が労働時間に含まれるかなどについて解説するので、喫煙者も非喫煙者も参考にしてください。
たばこ休憩は慣習として認められているケースが多い
たばこ休憩は慣習として認められているケースが多く、喫煙者の意見としては、トイレ休憩と変わらない、たばこを吸いながらコミュニケーションを取っているなどが挙げられます。
喫煙者の意見には納得できる部分もありますが、トイレ休憩は喫煙者も非喫煙者も必要です。また、1時間に1回たばこ休憩を取っているとすれば、勤務時間が8時間で1回あたりのたばこ休憩が10分なら、8回×10分=80分(1時間20分)は働いていないことになります。
働いていない時間が1日80分なら、週5日勤務で400分(6時間40分)、1ヶ月20日勤務で1600分(26時間40分)になります。これだけの時間となると非喫煙者が不公平感を抱くのも当然で、労働時間が違うのに給料が同じなのは納得できない気持ちは理解できるでしょう。
このような観点から、会社側は非喫煙者に対して配慮が必要といえます。具体的な配慮としては、喫煙者に対して業務時間中は禁煙を命じる、非喫煙者にも休憩時間を与えるなどの方法が挙げられます。このような不公平感を放置していると、会社内のトラブルなどにつながる可能性があり、しっかりと対策を考えることが大切です。
喫煙者と非喫煙者の不公平感を解消するためには、慣習だからと曖昧なままにしておくのではなく、ルールとして明確化することが必要になるでしょう。
たばこ休憩に関して起こされた裁判2例
たばこ休憩が休憩時間に含まれるかどうかは状況次第です。2つの有名な裁判を紹介します。
大阪高等裁判所で判決が出された裁判では、居酒屋チェーン店の男性店長が、長時間労働が原因で心筋梗塞を発症して療養補償と障害補償を求めました。業務時間中に1日20本から40本のたばこを吸っていましたが、最終的にはたばこを吸っている時間も労働時間と判断されました。なにかあった際にすぐに対応できる状態にいたため、完全に業務から離れていないので労働時間と認められました。
東京地方裁判所で判決が出された「泉レストラン事件」とも呼ばれる裁判では昼休憩など決められている休憩以外にも業務時間中に1日4回から5回以上喫煙所に行っていたのが争点になりました。
喫煙所が職場から離れていたので往復時間を含めて、たばこ休憩には10分前後の時間が必要で、すぐに業務対応ができないため、結果としてたばこ休憩の時間中は労働をしていない、つまり休憩時間と判断されました。
たばこ休憩に関しての1つのポイントは、すぐに業務に対応できるかが挙げられ、対応するまでに時間がかかるなら休憩と判断される可能性が高いです。
まとめ
たばこ休憩は慣習として認められていることが多く、現在でも会社によっては喫煙者が好きなタイミングで喫煙所などに行くケースが少なくありません。しかし、1時間に1回たばこ休憩をしているなら、非喫煙者と比較して働いている時間は短くなります。非喫煙者は不公平と感じることが多く、会社はルールを明確化するなどの対策をする必要があるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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