【実録】「日本年金機構」をかたる詐欺師から電話が! うっかり信じそうになった理由とは?「あれ?」と思ったときに取るべき行動も解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月13日 4時30分
突然、「日本年金機構です」と電話がかかってきたら、とっさに「詐欺かもしれない」と思えるでしょうか。本記事では、2024年3月13日に実際に筆者にかかってきた詐欺電話の内容と、取るべき対応について解説します。
突然の電話の内容とは……
先日、筆者のもとに突然見知らぬ電話番号から着信がありました。仕事で知らない番号からの着信もあるため、出てみることに。すると、相手はハキハキした口調の女性でした。こちらが名乗る前に「○○さんの電話でお間違いないですか?」と確認もあり、言葉遣いも丁寧で、コールセンターのスタッフのような印象です。
相手は「日本年金機構です」と名乗りました。電話の内容は次のとおりです。
・年金保険料2重払いのため還付される
・昨年11月頃に青色の封筒で案内していたが、手続き期限の2月末が過ぎたため電話した
・期限が過ぎた場合は、オンラインで手続き可能
・マイナポータルと紐づいた手続き用のURLを送るので、日本年金機構のLINEに登録してほしい
迷いなく話しており、本当に日本年金機構の人かも? と信じそうになってしまいました。また「青色の封筒を11月に送っている」という点も、電話があった2024年3月13日から考えると4ヶ月ほど前のことなので、「そうだったかな? もしかしたら見たかも?」と、ほとんどの人があいまいな記憶になる頃合いだと感じました。
詐欺電話かもしれない? チェックポイントを解説
今回初めて詐欺の電話がかかってきましたが、「自分に限って……」との思いから、うっかり信じそうになりました。そこで、私が感じた「詐欺かも?」と疑うべきポイントを解説します。
・18から始まる日本以外の国で使われている電話番号だった
・相手は名前を名乗っていない
・年金や税金の還付金などは電話やメールでの案内はしない
・公的機関が、電話を使って「今すぐその場で」とLINEに誘導することは絶対にない
電話の相手は「日本年金機構です」とは名乗りましたが、自分の名前は名乗りませんでした。最近では特に大手企業や公的機関に電話した場合、「○○です」と最初に名乗るのはもちろん、「本日は○○が承りました」と締めくくるケースがほとんどです。
また、ATMなどにも再三チラシなどで周知されていますが、公的機関が電話で「還付金」を案内したり、手続きのために突然訪問したりすることは絶対にありません。それでも「LINE」や「マイナポータル」などもっともらしいことを言われると、「最近はそうなったのかな?」と思うかもしれませんが、例外はないことを肝に命じましょう。
本当に手続きが必要なら、「今すぐこの場で」LINE登録などしなくても手続きできるので、絶対にその場では登録しないようにしましょう。
本当かな? と思ったら取るべき行動
次に、かかってきた電話は本当かな? と感じたときに取るべき行動を紹介します。
日本年金機構に連絡
まずは「2重払いの事実」があるのか確認するため、日本年金機構に電話しました。相談先は次のとおりです(2024年4月現在)。
「ねんきんダイヤル」0570-05-1165
問い合わせの際に自身の基礎年金番号が必要となるため、事前に確認しましょう。問い合わせの結果、2重払いの事実はなく、「絶対に対応せずに最寄りの警察署に相談してください」とのことでした。また、日本年金機構で電話対応してくれた職員の人は、きちんと「○○が承りました」と名乗っていました。
最寄りの警察署に連絡
日本年金機構との電話が終わったあと、すぐに最寄りの警察署に電話しました。詐欺被害などの担当職員に電話を代わってくださり、かかってきた電話番号やどのような人からの電話だったかを話しました。
これはよくある詐欺の手口だと教えてくれました。還付金を謳って口座情報を取得し、「オレオレ詐欺」などで高齢者から騙しとったお金の送金先に利用するそうです。うっかり口座情報を伝えてしまうと、逆に詐欺に加担してしまう恐ろしい手口です。
また、電話番号が知られてしまっているため、「SMSなどでさまざまなメッセージが届くかもしれませんが、絶対に対応しないこと」と何度も念押しされました。
まとめ
人ごとのように感じていた詐欺電話が、いざ自分にかかってくると「そんなこともあるのかも?」と信じそうになってしまうことを、身をもって体感しました。しかし、公的機関などが電話や訪問で、突然「還付金」「徴収」「手続き」などを迫ってくることは絶対にありません。例外はないことを肝に命じておきましょう。
また、万一怪しいと感じる電話がかかってきたときは、名乗った場所に電話で確認してみると良いでしょう。今回は日本年金機構でしたが、「税務署」「警察署」「銀行」などさまざまなケースが考えられます。かかってきた電話に折り返すのではなく、各公式HPなどから正式な問い合わせ窓口を調べて連絡しましょう。
出典
日本年金機構 ねんきんダイヤル(年金相談に関する一般的なお問い合わせ)
執筆者:古澤綾
FP2級
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