婚約指輪は「給料3ヶ月分」と言われた昭和。令和の今は「給料1.5ヶ月分」でも大丈夫? 当時の相場観も踏まえ解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月20日 4時30分
婚約指輪は給料の3ヶ月分にすべきという話を耳にしたことがある人は多いでしょうが、実際はどうなのでしょうか。「給料3ヶ月分は正直きついので、予算は給料1ヶ月分で考えたい」といった人もいるでしょう。また、「そもそも、婚約指輪は給料3ヶ月分というフレーズは誰が考えたの?」と疑問に感じる人もいるかもしれません。 今回は婚約指輪を選ぶ際の考え方について解説します。ぜひ参考にしてみて下さい。
「婚約指輪は給料の3ヶ月分」というフレーズに縛られる必要はない
前提として、婚約指輪は一生に一度の買い物になり得るため、受け取ったパートナーに喜んでもらえる指輪を選ぶことが大切です。パートナーが気に入ってくれるデザインや素材などを考え、長く大切に使ってもらえる指輪を選びたいですね。そのため、「婚約指輪は給料の3ヶ月分」というフレーズに縛られて指輪を選ぶ必要はありません。
そもそも、「婚約指輪は給料の3ヶ月分」となぜいわれるようになったのでしょうか。次項以降で解説します。
1970年代のテレビCMにより相場観が形成された可能性
「婚約指輪は給料の3ヶ月分」というフレーズの発祥は1970年代にさかのぼるといわれています。ダイヤモンドを扱うイギリスの巨大企業であるデビアス社が、広告キャンペーンの活動を各国で進め、日本では「婚約指輪は給料の3ヶ月分」とのメッセージを発信しました。そして、当時の有名芸能人が「給料3ヶ月分の婚約指輪を贈りました」と記者会見の場で発言したことから、国内での共有認識が出来上がったようです。
「給料3ヶ月分」というフレーズはキャッチーであり分かりやすかったことから、当時の人々に受け入れられたのでしょうか。
「婚約指輪は給料の3ヶ月分」という相場観は適正なのか
前項で記載したように、1970年代に婚約指輪の相場観が形成されたと仮定した場合、現代でもその相場観は適正なのでしょうか。
この相場観を考える際には、婚約指輪に使用されるプラチナやゴールド、ダイヤモンドといった素材が、アメリカドルで取引されていることを知っておく必要があります。
そして、1970年代といえば、円が変動相場制に変更されたタイミングです。当時のドル円相場は1ドル=300円を超える期間すらありました。
2024年4月現在では、1ドル=150円台で推移しています。そのため当時と比較すると、日本円の価値は2倍近くになっていることが分かります。
物価上昇など、その他の検討すべき材料はありますが、あくまで為替の変動のみに限定して考えると、当時は「婚約指輪は給料の3ヶ月分」であった相場観も、「給料1.5ヶ月分」などに下がったと考えられるのかも知れません。
まとめ
「婚約指輪は給料の3ヶ月分」というフレーズに縛られる必要はありません。価格にこだわるのではなく、受け取ったパートナーに喜んでもらえる指輪選びをしたいですね。
また、1970年代と比較して円の価値が高まったため、当時よりは高額という認識は薄れているかもしれませんが、それでも婚約指輪は決して安い買い物ではありません。
デザインや素材など、指輪をつけてくれるパートナーの好みに合わせてじっくりと検討してください。
執筆者:小林裕
FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート
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