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わが家は世帯年収「580万円」。子どもが「友だちと同じ私立高校に行きたい」と夏休み返上で勉強していますが、学費が不安です。支援制度を利用すれば、通わせることはできるでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年8月13日 10時10分

わが家は世帯年収「580万円」。子どもが「友だちと同じ私立高校に行きたい」と夏休み返上で勉強していますが、学費が不安です。支援制度を利用すれば、通わせることはできるでしょうか?

子どもが望んでいる学校へ進学するには、本人が勉強を頑張るだけでなく、親も学費などをじゅうぶんに用意する必要があります。高校進学に必要な費用の目安はどのくらいなのでしょうか。   本記事で、子どもを高校へ通わせるのに必要な平均額や、家庭の年収によっては「高等学校等就学支援金制度」により費用負担が軽くなることを解説します。

高校(私立・公立)で必要な費用の平均額はいくら?

高校へ進学するためには、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
 
文部科学省が数年ごとに調査して公表している「令和3年度子供の学習費調査」によると、全日制高校での1年間の学習費用総額は、公立で約51万3000円(平成30年度調査では約45万7000円)・私立で約105万4000円(平成30年度調査では約97万円)です。
 
公立と私立では学習費用総額が約2.1倍の差が出ている結果でした(学習費は、授業料や学用品費用など学校生活に必要な費用にあたります)。
 
参考として、幼稚園から高校(全日制)まで全て公立に進学したケースから、全て私立に進学したケースでの学習費総額は図表1のとおりです。
 
図表1


文部科学省 令和3年度子供の学習費調査
 
図表を見ると、全て公立に進学したケースと全て私立に進学したケースでは、費用に約3倍の差が出る調査結果でした。塾や習い事に通った場合には、さらに費用がかかります。例えば、1年間の学習塾費用の平均額は公立高校で約36万3000円、私立高校では約44万7000円です。
 

学費負担を支援してくれる制度は?

経済的な事情で進学をあきらめるケースを減らすために、国と都道府県で「高等学校等就学支援事業」が行われています。国の支援事業では、令和2年度から、判定基準を満たした家庭には公立高校で年間11万8800円、私立高校に進学する場合には最大で年間39万6000円が支給されています。
 
国の支援事業では家庭の所得制限があり、年収910万円が所得制限の目安です。910万円を超えると、学費支援の対象外にあたるため学費負担が必要になり、学費支援対象となる家庭との負担差が大きくなります。
 
また、都道府県によっては、国の高等学校等就学支援金に上乗せする形などで独自の支援を行っており、それぞれの制度によって、所得制限額や支給される金額がちがいます。
 
収入状況の確認は毎年行われ、諸事情によって収入が減少した場合には、住んでいる自治体や学校によって学費支援を受けられることもあります。都道府県によっては、国の制度だけで自治体独自での学費補助がないケースもあるので、事前に調べておきましょう。
 

注意しておくことは?

就学支援事業による学費支援を受けて進学するときに注意しておくべき点は、所得制限だけではなく「どの地域の学校に進学するか」も重要です。
 
東京都では、2024年度から高校授業料支援への所得制限をなくして無償化しましたが、対象となるのは東京都内に住む子どもです。隣県などから東京都の私立高校に通う場合には、子どもが住んでいる県の学費支援制度が適用されます。
 

まとめ

全日制高校での1年間の学習費用総額は、公立で約51万3000円・私立で約105万4000円と、大きな差があります。
 
経済的な事情によって進学をあきらめないように、「高等学校等就学支援事業」が行われており、独自の支援を行っている都道府県もあります。支援を受けるための所得制限などの基準は、それぞれの制度によって違いがあります。
 
子どもが安心して希望する学校に進学できるように、住んでいる地域の学費支援制度を調べて、学費負担が家計に響かないように準備しておくことが望ましいでしょう。
 

出典

文部科学省 令和3年度子供の学習費調査 調査結果の概要
文部科学省 令和2年4月から私立高校授業料実質無償化がスタート!
東京都 所得制限なく私立高校等の授業料を支援
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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