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父が「車は5年で買い替えろ」と言いますが、なぜですか?まだ乗れるのにもったいない気がします…

ファイナンシャルフィールド / 2024年8月19日 2時10分

父が「車は5年で買い替えろ」と言いますが、なぜですか?まだ乗れるのにもったいない気がします…

多くの人が車を購入すると、長く乗り続けたいと思うものですが、父親や車好きの知人から「5年で買い替えた方がいい」と助言された場合、不思議に思うかもしれません。   一見、まだまだ使える車を手放すのはもったいないと感じるかもしれませんが、実は合理的な理由があるのです。今回は、車を5年で買い替えるべきと言われている理由と、乗用車の平均保有期間について紹介します。

なぜ車の買い替えは5年と言われているの?

一般社団法人日本自動車工業会によると、自動車の平均保有期間は7.2年です。
 
では、なぜ車は5年で買い替えるべきと言われているのでしょうか。これには、「経済的な理由」と「安全性や技術の進化からみた理由」があります。
 

経済的な理由

車を5年で買い替えるべき理由のひとつは、経済的な観点からです。寿命の短い車や走行距離の長い車は、新車のときより価値が下がる傾向にあります。早めに買い替えることで、売却時に比較的高い価格で取引される可能性があるでしょう。
 
また、車の維持費用も考慮すべきポイントです。新車の間は故障が少なく、メンテナンス費用も抑えられますが、10年目あたりを目安に、部品の故障やエンジントラブルなどが増えてくる傾向にあるようです。
 
一般的に10年を迎えるタイミングで交換が必要になる部品とその費用目安は、表1の通りです。
 
表1

部品名 交換時期の目安
(走行距離・年数)
費用目安
プラグコード 10万kmもしくは10年 1万5000円~
タイミングベルト 10万kmもしくは10年 5万円~
ブレーキホース 10万kmもしくは10年 2万円~
ハブベアリング 10万kmもしくは10年 8万円~
ファンベルト 5~10年 5000円~

※筆者作成
 
修理費用が増えると、結果的に維持費がかさみ、経済的な負担が増すことになります。
 
さらに、国土交通省によれば、新車新規登録(軽自動車の場合は初めて車両番号の指定を受けて)から13年を経過すると自動車税(種別割)が重課税されてしまいます。自動車税の重課率は、表2の通りです。
 
表2

自動車の種類 重課率
軽自動車 おおむね20%
ガソリン車・LPG車 おおむね15%

出典:国土交通省「自動車税のグリーン化特例の概要」「軽自動車税のグリーン化特例の概要」を基に筆者作成
 
加えて、自動車重量税も13年を経過したタイミングで高くなるため、5年で買い替えることで、メンテナンスコストだけでなく税金なども最小限に抑えることができるのです。
 

安全性と技術の進化

5年で車を買い替えるもうひとつの理由は、安全性と技術の進化にあります。
 
国土交通省自動車局では、5年ごとに政府が作成する「交通安全基本計画」に基づき、自動車の安全性向上に向けた具体的な目標や対策を立て、これまでにさまざまな安全技術の搭載を試みてきました。
 
従来の自動車では、運転者の安全運転を支援する「安全運転支援技術」や運転者の監視の下でシステムが運転を支援する、あるいは運転者に代わってシステムが運転を行う「自動運転関連技術」の搭載の加速化や性能の向上がみられます。
 
例えば、同じく国土交通省によれば、5年前の令和元年からは乗用車等の衝突被害軽減ブレーキの搭載が義務化され、新車を中心に標準装備されてきました。
 
車の技術は日々進化しており、5年前の車にはこのような技術が搭載されていないものも多くみられます。そのため、5年を超えると、これらの新技術の恩恵を受けることができず、古い車では事故時の安全性が劣る可能性があるのです。
 
また、古い車は使用頻度や経年劣化により突然の故障やトラブルが起きやすくなるでしょう。特にエンジンやトランスミッションなどの主要部品に問題が発生すると、修理費用も高額になりがちです。一定期間ごとに新しい車に買い替えることで、安全性を確保しつつ、不意の出費を抑えることができるでしょう。
 

父親の助言をしっかり理解した上で最適な買い替え時期を見極めよう

「車は5年で買い替えろ」という父親のアドバイスには、経済性や安全性、技術の進化の観点からみた合理的な理由があるのでしょう。
 
新しい車は最新の安全技術を搭載しているケースが多く、事故のリスクを低減させることができます。また、経済的にも古い車を維持するより、新しい車を購入する方が長期的にはコストを抑えることができる場合もあります。
 
もちろん、個々の状況や車の状態によって最適な買い替え時期は異なるため、一概には「5年で買い替え」が絶対に正しいとはいえません。
 
しかし、父親のアドバイスには経験に基づいた合理的な理由があることを理解することで、自分にとって最適なタイミングで車を買い替える判断材料となるでしょう。車の買い替えを検討する際には、安全性や経済性、メンテナンスコストを総合的に考慮し、最適な選択をすることが大切です。
 

出典

一般社団法人日本自動車工業会 2023年度 乗用車市場動向調査 2.前保有車の保有期間(27ページ)
国土交通省 自動車税のグリーン化特例の概要、軽自動車税のグリーン化特例の概要(1~2ページ)
国土交通省 自動車局 今後の車両安全対策の方向性 技術安全ワーキンググループについて(1ページ)
国土交通省 交通政策審議会陸上交通分科会自動車部会 令和3年度 第1回車両安全対策検討会 参考資料 交通事故のない社会を目指した今後の車両安全のあり方について 第2節 技術の開発・進化 1. 自動運転関連技術の開発・進化(5ページ)
国土交通省 報道発表資料 乗用車等の衝突被害軽減ブレーキに関する国際基準を導入し、新車を対象とした義務付けを行います。~道路運送車両の保安基準の細目を定める告示等の一部改正について~
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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