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会社で主任から「係長」への昇進を打診されました。管理職になると「残業代」が出ないと聞いたのですが、係長も当てはまりますか? 昇進で“手取り”が減ることもあるのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年8月17日 2時30分

会社で主任から「係長」への昇進を打診されました。管理職になると「残業代」が出ないと聞いたのですが、係長も当てはまりますか? 昇進で“手取り”が減ることもあるのでしょうか?

「来期から係長に『昇進』になるから、残業代はなくなるよ」 「今までより手取りは減るけれど、これも勉強だから」   筆者が営業部の主任として働いていたときに上司から言われた言葉です。その会社では係長以上が管理職とされて残業代が支給されず、一般社員よりも手取りが減ることが常態化していました。管理職になったら一律で残業代が支給されないのは、法律的に正しいのでしょうか?   本記事では残業代が不支給になる人の条件や、残業代が支給されない「管理監督者」の判断基準を解説します。

残業代が発生しないのは管理職ではなく「管理監督者」

会社によって「管理職」の定義はさまざまです。副課長(課長代理)以上の役職が管理職の会社もあれば、課長より一つ下の役職である係長から管理職としてカウントされる会社もあります。
 
一般的に「管理職は残業代が支給されない」とされていますが、実は「管理職」になったからといって直ちに企業が残業代を支払わなくていい理由にはなりません。
 
労働基準法第41条では「労働時間などに関する規定の適用除外」の対象として「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者」と定義されています。
 
ここでいう「監督若しくは管理の地位にある」という条件にあたるのは、「管理監督者」です。管理監督者にあたる人物かどうかで、残業代が支給されるかどうかが決まります。
 
厚生労働省によれば管理監督者とは「労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者」のことです。単に役職が「係長」「課長」というだけではなく、職務内容や責任の有無が管理監督者にあたるかが、残業代を支給するか否かの判断材料になります。
 

管理監督者に該当するかは4つの基準で総合的に判断

管理職と名が付けばすべて管理監督者に該当するのかといえば、そうではありません。役職名ではなく、その職務内容、責任と権限、勤務態様などの実態によって判断されます。管理監督者の判断基準として次の4つの項目があります。
 

・労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な職務内容を有していること
 
・労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な責任と権限を有していること
 
・現実の勤務態様も、労働時間等の規制になじまないようなものであること
 
・賃金等について、その地位にふさわしい待遇がなされていること

 
管理監督者であるかどうかは、これら4つの基準を総合的に検証して判断されます。その結果、管理監督者にあたらないとされれば、単なる管理職となり会社は残業代を支払わなければなりません。
 

まとめ

「管理職は残業代が出ない」。当たり前の常識のようなイメージがあるかもしれませんが、残業代が出ないのは「管理監督者」に対してであって、「管理職」ではありません。係長や課長など社内でいうところの「管理職」になったからといって、直ちに残業代が支給されなくなるというのは違法の可能性があります。
 
例えば「管理職になったら一般社員より手取りが下がった」「上司の許可がないと業務上の決裁ができない」という状態では、肩書だけ管理職でも管理監督者にはあたらない可能性が高いです。
 
名ばかり管理職で残業代が支給されないなら、弁護士や労働組合などに相談することも検討しましょう。
 

出典

e-Gov法令検索 労働基準法
厚生労働省 労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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