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【事実婚カップルの住宅ローン】2人で暮らす家が欲しいのですが、「収入合算」や「ペアローン」で住宅ローンを組めますか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年8月20日 6時10分

【事実婚カップルの住宅ローン】2人で暮らす家が欲しいのですが、「収入合算」や「ペアローン」で住宅ローンを組めますか?

事実婚の相手と収入合算やペアローンを組めるのでしょうか? 事実婚でマイホームを持つ際の注意点も併せて解説します。

収入合算とペアローン

共働き夫婦はともに高収入で、ダブルエンジンでしっかり稼いで高級マンションなどに暮らしている……そのようなイメージが浮かぶという人もいるかもしれませんが、パワーカップルでなくても、共働きが普通になった昨今では、“住宅ローンは2人で借りる”がスタンダードになりつつあります。
 
収入を合算すれば、借入金額を増やすことができます。住宅ローン控除も2人分の恩恵が受けられれば、節税効果も大きいです。本題に入る前に、まず“2人で借りる”手法である収入合算とペアローンについて整理します。
 
<収入合算>
住宅ローンを申し込む本人の収入に、配偶者や両親、子どもなどの収入を合算して申し込む方法です。
 
ただし、収入合算できる金額は「合算者の収入の全額ではなく半分まで」などの場合もあり、金融機関によって異なります。単独で申し込むよりも借入金額を増やすことができます。収入合算する方法には連帯債務型と連帯保証型があります。
 

■連帯債務型

・2人のどちらかが主債務者となり、1つの住宅ローン契約をする
・収入合算者が連帯債務者となる
・住宅ローン控除は連帯債務者にも適用される
・フラット35はこの型

 

■連帯保証人型

・2人のどちらかが主債務者となり、1つの住宅ローン契約をする
・収入合算者が連帯保証人となる
・住宅ローン控除は主債務者のみ適用される
・団体信用生命保険は主債務者のみ加入する

 
文字のとおり、連帯債務型は2人がともに債務者となり協力して返済しますが、連帯保証型における合算者はあくまでも主債務者が払えなくなった時に肩代わりする役割です。
 
<ペアローン>
2人が別々に住宅ローンを契約する方法です。住宅の持分に応じてそれぞれ契約し、返済義務を負います。住宅ローン控除は両方に適用されますが、住宅ローン契約の事務手数料は2件分かかります。団体信用生命保険も2人それぞれ加入します。お互いにお互いの連帯保証人になります。
 

金融機関によって扱いが違うので注意が必要

では、「事実婚カップルの場合は、上記の住宅ローンを契約することができるのか」という本題です。世間でも「入籍しないこと」に対する理解が進んでいますので取り扱う金融機関は増えていますが、未だ“道半ば”の状態です。
 
金融機関によって対応しているローンの種類や条件などに違いがありますので、事前に調べておくことが肝要です。金利などの借入条件の他に、金融機関選びの基軸になると考えます。
 
フラット35を運営している住宅金融支援機構に問い合わせてみたところ、金融機関によって扱い方に違いがあるものの、フラット35の利用に関しては“事実婚(入籍していない)”でも融資は可能との回答でした。
 
収入合算の金額は年齢による判断となり、主債務者に比べて合算者が年上の場合は合算できる金額が制限されるそうです。必要な提出書類などは取り扱い金融機関によって違うので、問い合わせてほしいとのことでした。
 
例えば某銀行の場合は、住宅ローンの連帯債務型借入について配偶者の定義を「事実婚の方々」「同性パートナーの方々」を含めるとしています。
 
その場合の配偶者と同様に利用する条件として、事実婚の場合は「未届の妻/夫」や「妻/夫(未届)」の記載のある住民票の提出、同性パートナーの場合は自治体の発行する同性パートナーシップ証明書またはこれに類する証明書の提出を求めています。
 
また、連生団体信用生命保険の加入が必須です。連生団体信用生命保険は、主債務者だけでなく連帯債務者に万一のことがあった場合も住宅ローンの残高に応じた保険金が支払われ、住宅ローンの返済に充当される団体信用生命保険です。
 
収入合算して借入をしていますので、1人で借入している場合に比べて毎月の返済金額は高額です。連帯債務者に万一のことがあった場合、主債務者が単独で返済することには不安がありますので、保険加入は債務者にとっても安心です。
 

“家を購入する”ことの注意点

「都心の家賃が高いので、それぞれ別に部屋を借りるより一緒に住んだほうが合理的」と同棲しているカップルもいるでしょう。もちろん、それだけの理由ではないでしょうが、経済的な理由の後押しは大きいと考えられます。
 
その延長線上で、「毎月家賃を払うより購入したほうが将来の資産になるのでお得かも」と考えるのは早計です。夫婦で負担してマンションを購入し、その後離婚となった時に、相当なトラブルになったカップルを筆者は見てきました。
 
住宅ローンの返済期間は長期なので、その間に何が起きるか分かりません。病気で働けなくなったり、転職で収入が減ったり、不足の事態があるかもしれません。
 
これらは入籍カップルにもいえる話ですが、事実婚カップルにはさらに注意点があります。パートナーにもしものことがあった場合、相続はどうするのか?という問題です。
 
入籍していないと法定相続人にはなりません。事実婚であるがゆえに、問題が大きくなる可能性がありますので、遺言書の作成などトラブル回避の策を講じておく必要があります。所有持分など、個々の事情に応じた対策を慎重に考えることになります。
 
諸々の準備を万全にして、すてきなマイホームを手に入れて欲しいです。
 

出典

株式会社三井住友銀行 事実婚の方々・同性パートナーの方々に対する住宅ローンの取り扱い開始について
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

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