「台風」で屋根が吹き飛び、まさかの全面リフォームに。戸建てはマンションと違って「修繕積立金」がないのでお得と思っていました…。
ファイナンシャルフィールド / 2024年8月28日 23時20分
マンションの場合は定期的に大規模修繕があり、これは長期的な計画に基づいて行われます。一戸建ての場合は計画書のようなものがないので、ついつい後回しになりがちです。 その結果、大掛かりなリフォームが必要になった事例がいくつもあります。マンションの修繕積立金との比較とともに考えたいと思います。
マンションの修繕積立金はどのように決められているの?
先日2人の知人と話す機会がありました。Aさんの自宅は築30年の一戸建て、Bさんは築25年のマンションに住んでいます。Bさんのマンションは来年大規模修繕工事が入るそうです。
「昨今の材料費や人件費の高騰のため、費用は当初の予定より2割程度高額になる」と工事見積もりを依頼している施工業者にいわれたそうです。
2割をどう捻出するのかは大きな問題です。Bさんによると、築12年目に行われた1回目の大規模修繕の時も予算オーバーになり、一時金で徴収することになったそうです。この時はそれを機に、住民の1割程度が物件を売却したそうです。
世間でも、マンションの修繕積立金の積立金不足が懸念されています。国土交通省では「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(※)の中で、修繕積立金の額の目安の算出方法などの情報を提供しています。
例えば、下記の図表1のような平均値を使えば、修繕積立金の概算を知ることができます。
(図表1)
10階建て、建築延べ床面積が8000平方メートルのマンションで専有床面積が80平方メートルの場合、毎月の修繕積立金の目安は 80平方メートル×252円/平方メートル・月=2万160円 となります。
「1回目の大規模修繕の後、修繕積立金の見直しを行ったのに、昨今の物価上昇には追い付かなかった」とBさんは悔しい思いを話していました。
この話を聞いていたAさんから「老後の生活を考えるとマンションから郊外の戸建てに引っ越しを考えてはどうか」と提案がありました。“毎月の修繕積立金に加えて、10年ごとにさらなる出費がかさむのなら”というのが理由です。
ですが、駅から徒歩5分の好立地に建つマンションです。老後を考えると、買い物や病院通いなどに便利なことが優先されます。また老化が進んだ時のことを考えると、フラットな居住空間が良さそうです。
マンションか一戸建てか、という選択は個人個人で違いますので答えはありませんが、1つ気になったことがありました。Aさんは“自宅のリフォームをほぼしていない”というのです。「1回ぐらいは外壁をリフォームしたかな」と、何ともあやふやです。とても心配になりました。
突然屋根が吹っ飛んだ!
地球温暖化のせいか、悪天候による災害が増えているように思います。数ヶ月前、Cさんの自宅も突風にさらされ、突然屋根が吹っ飛んだそうです。早急に補修工事をする必要があり施工業者に依頼したところ、他にも複数の補修が必要なことが分かりました。
事態は大きくなり、いよいよ家族は一時的に引っ越しをして全面的にリフォームすることになりました。「中古物件なので購入した時にリフォームをしたけれど、万全ではなかったのかも」「気になる部分はあったけれど、後回しになっていた」と後悔されていました。
同様にDさんの例もあります。こちらは築87年で、古民家といえそうな物件とのことです。水道管などのライフラインが老朽化しているのが気になり点検してもらったそうです。これまで不具合が起きることもなかったので、手付かず状態できました。
点検にきた業者は「どの設備も初めて見る旧式です」と驚き、「装置を博物館に展示したい」と持ち帰られたと聞きました。交換できる部品などもなくなっているので、工事は大掛かりなものになりました。こちらも一時的に引っ越してリフォーム工事中です。完成まであと2ヶ月かかるそうです。
リフォームのことを心配していないAさん。その時は、突然やってくるかもしれません。一戸建てに住む場合、マンションの修繕積立金のように費用を見積もることや、定期的に点検することを忘れがちです。
年を経るとどこかに劣化は生じますが、マメにメンテナンスすることでトラブルを最小限にできるはずです。“気になる”と感じたら早めの行動をお勧めします。
出典
(※)国土交通省 マンションの修繕積立金に関するガイドライン(令和6年6月改訂)
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
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