31歳の会社員。友人に「6万円ふるさと納税した」と言ったら、「年収高いな!」と言われました。ふるさと納税の金額は言わないほうがいいですか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年8月30日 4時30分
ふるさと納税は、自分の選んだ自治体に寄付をすると、寄付した金額分の税金(2000円は除く)が控除(免除)されるにもかかわらず、特産品やサービス券などの返礼品がもらえる制度です。 実質負担2000円で、高級肉やお米、宿泊券などがもらえるため、毎年欠かさずふるさと納税をする人や、ふるさと納税を始めてみたいと思う人もいるでしょう。 ふるさと納税の実質負担が2000円で済む寄付金額の上限は、支払う住民税の金額によって決まります。つまり、ふるさと納税をする金額によって、年収が予想できてしまうかもしれないのです。 本記事では、ふるさと納税を6万円しても実質負担が2000円で済むのはどんな人かを例に出しながら、ふるさと納税の上限額と年収の関係を見ていきます。
ふるさと納税したお金はどうやって控除される?
ふるさと納税をすると以下の3種類の控除が適用されます。
1.所得税からの控除:(ふるさと納税額-2000円)×「所得税の税率」(確定申告の場合)
2.住民税からの控除(基本分):(ふるさと納税額-2000円)×10%
3.住民税からの控除(特例分):(ふるさと納税額-2000円)×(100%-10%-所得税の税率)
このうち「3.住民税からの控除(特例分)」は、住民税所得割額の20%までという上限があります。ふるさと納税をしすぎて、上限を超えてしまった場合、2000円以上の負担が必要なのです。
つまり、実質負担2000円でふるさと納税できる上限額は、支払う住民税額によって決まります。図表1は総務省がシミュレーションした、実質負担2000円でふるさと納税をできる寄付金の上限額を年収・家族構成ごとに示したものです。
図表1
総務省ふるさと納税ポータルサイト 全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安
ただし、住民税の金額、つまり実質負担2000円でふるさと納税できる上限額は、年収や家族構成のほか、生命保険・確定拠出年金などの加入状況、医療費控除を受けたかどうかなどによって変わってきます。
上限額ギリギリのふるさと納税をしたい場合は、源泉徴収票などを使っての個別シミュレーションが必要です。
年間6万円ふるさと納税をできる人の年収は?
図表1から、年間6万円ふるさと納税をできる人の年収を読み取ると次の通りです。
・独身の場合:年収475万~500万円
・夫婦(配偶者を扶養している場合):550万円
・夫婦(配偶者を扶養している場合)と子ども2人(高校生以上):650万~675万円
親しい仲なら家族構成が知られている場合もあるでしょう。例えば専業主婦の妻を持つ男性が「ふるさと納税を6万円した」と口にすることで、「年収550万円以上稼いでいるのか……」と思われるかもしれません。
国税庁の2022年分の民間給与実態統計調査によると、30~34歳男性の平均年収は485万円。独身であれば平均年収くらいである一方で、扶養配偶者がいる場合は、平均年収より多く稼いでいることになります。
なお、生命保険の生命保険料控除や確定拠出年金の小規模企業共済等掛金控除などがあると、課税される住民税が減るため、実質負担2000円でふるさと納税できる限度額は減ってしまいます。
例えば、確定拠出年金を月に2万円拠出している独身者が6万円の寄付をして、実質負担2000円で済ませるためには、年収約530万円が必要です。生命保険に入っている、確定拠出年金に加入しているという話を過去にしている場合は、「さらに年収が高いのでは?」と勘ぐられてしまうかもしれません。
ふるさと納税には上限がある! 年収を知られたくなければ話さないほうがいい
ふるさと納税は実質負担2000円で特産品やサービス券などがもらえるお得な制度ですが、実質負担2000円でふるさと納税をできる金額には上限があります。
この上限額は総務省や各ふるさと納税サイトが一覧にまとめているので、ふるさと納税をした金額を伝えると、「年収は○○万円以上なのか……」とヒントを与えることになってしまいます。
ふるさと納税のお得さを伝えるのは良いのですが、年収を知られたくなければ、金額の話は控えたほうがいいでしょう。
出典
総務省 ふるさと納税ポータルサイト ふるさと納税のしくみ
国税庁 令和4年民間給与実態統計調査
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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