著名人になりすまし「SNS型投資詐欺」が相次ぎ発生!ネットの向こうの「知らない人」が教えてくれた儲け話って大丈夫?
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月1日 21時0分
NISA制度の拡充により、「貯蓄から投資へ」の流れが加速されたようです。 金融庁の公表より、2023年12月末のNISA・つみたてNISAの口座数は約2124万口座、2024年3月末の口座数は約2322万口座と、3ヶ月で約198万口座が新たに開設されており、新NISAになった3ヶ月間で6兆179億円もの資金が投資されています(出典:金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について」より)。 一方で、将来のために何か投資をやらなくてはと焦る気持ちを持ちつつ、今一つ踏み出せない人もいます。また、スタートが遅かったり、これまでに良い投資結果が出なかったり出遅れて焦る気持ちがあり、時間をかけて少しずつ利益を積み重ねていくより一気に稼ぎたいと思う人もいるでしょう。 でも、「焦り」は禁物です。出遅れた!と焦る気持ちに迫る魔の手にご用心。
あの有名人が教えてくれる特別な情報
SNSを利用時に、このような投資の広告が表示されたら、あなたはどうしますか?
<100万円が1億になった、あの有名な経済評論家の投資相談>
相談をしたら100万円が1億になるのなら、自分も相談したくなりますよね。100万円が1億になったノウハウ、知りたいですよね。
<あの有名な投資家がノウハウを公開>
有名な投資家と同じことをすれば同じようにもうかりますよね。知りたいですよね。
<絶対に負けない投資法>
知りたいですよね。興味津々になりますよね。
また、「有名人とのつながりがある人」とつながりを持てたなら、友だちの友だちは友だちと同じように、自分も有名人とつながりのある1人になった気がします。
しかし、この後が問題です。申し込んだ後に利益は出るのですが、引き出そうとしたら「追加で払い込まないと引き出せない」と言われ、追加で支払ったとたんに相手との連絡が取れなくなってしまったという被害が急増しています。そして、この場合の被害回復がとても困難なのです。
独立行政法人国民生活センターによれば、このような相談が2022 年度と比べて約 9.6 倍 になっており、平均契約購入金額も高額化しているそうです。(出典:独立行政法人国民生活センター 令和6年5月29日報道発表資料 より)
本当にその投資家がやっている?
「有名人がやっているから安心」「この人がやっているのなら確か」などと思いますが、本当にその人がやっているものなのでしょうか。
投資詐欺グループが、勝手に写真や名前を使ったサイトが横行していますが、本物かどうかの見分けは難しく、有名人本人やつながりのある人だと思い込み、言われるままにお金を振り込んでしまうケースが多いそうです。
ところで、海外に会社があっても、日本の居住者を相手に、株やFXなどの金融商品取引業、暗号資産交換業を行う者は、金融商品取引法または資金決済法に基づき登録を受けなければなりません。
よって、投資をするその前に、まず金融庁ホームページで業者の登録の有無を確認しましょう。さらに財務局では、無登録で金融商品取引業を行っているとして警告を受けた業者の名称を掲載していますので、併せて確認するといいでしょう。
また、通常、株式取引業やFXの業者が、投資資金を個人名義の口座に振り込ませることはありません。個人名義の口座に振り込ませるのは詐欺です。絶対に振り込まないようにしましょう。
インターネットの向こうは知らない人
投資の案件が違っても、だます流れは同じです。
SNSの広告からメッセージアプリでやりとりするようになり、メッセージでどれだけもうかるか洗脳され、すっかり信用しお金を出してしまいます。
ウェブ上ではもうかっているように見せかけてありますが、お金を引き出したいといえば、さらに出資金を要求し、高額な追加資金を出資させたら逃げてしまい、連絡がつかなくなります。振り込んだお金は、すぐに口座から引き出されてしまいます。
インターネットのみのつながり、連絡手段はメッセージアプリだけ、よってどうにもなりません。
また、その他の、いわゆるロマンス詐欺や宗教がらみのものが入り口でも、投資話が出てきたら同じことです。メッセージアプリで親しくなったように思えても、ネットの向こうは知らない人。投資話を勧められても、安易にお金を振り込まないようにしましょう。
あれ? と思ったら、振り込む前に188(消費者ホットライン)へ相談しましょう。
出典
金融庁 NISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について
金融庁 免許・許可・登録等を受けている業者一覧
財務省関東財務局 無登録で金融商品取引業等を行っている者に対する警告
独立行政法人国民生活センター SNSをきっかけとして、著名人を名乗る、つながりがあるなどと勧誘される金融商品・サービスの消費者トラブルが急増 ―いったん振込してしまうと、被害回復が困難です!―(令和6年5月29日報道発表資料)
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者
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