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母がコツコツ貯めたへそくり「300万円」。一人娘の私にくれるそうですが「税務署」への申告は必須ですか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年9月10日 10時0分

母がコツコツ貯めたへそくり「300万円」。一人娘の私にくれるそうですが「税務署」への申告は必須ですか?

へそくりをする目的は人によってさまざまですが、気を付けたい点が「誰のお金なのか」です。へそくりの持ち主が誰と判断されるかで、将来的に税金がかかる可能性が出てきます。   将来子どもに渡すと決めているお金なら、あえてへそくりにしなくてもよい場合があるので確認しておきましょう。今回は、へそくりの持ち主や課税対象になりにくい方法などについてご紹介します。

へそくりはお金の出どころによって財産の持ち主が変わる

家族の誰にも告げず貯金をしているへそくりは、お金の出どころによって持ち主とみなされる人物が変わります。母親がへそくりを貯めているなら、お金の出どころを確認しておきましょう。
 

母親が自分で稼いだお金は母親のもの

母親が自分で稼いだお金をへそくりにしていれば、へそくりの持ち主は母親とみなされるでしょう。源泉徴収も終わっている給料からへそくりを貯めていれば、勤務先がすでに税金を差し引いたあとのお金なので申告をしなくても問題ありません。
 
ただし、個人事業主や副業で稼いでいる方が、自身の得た収入を基にへそくりをする場合は、所得税の申告が必要です。国税庁によれば、副業なら20万円以上、個人事業主なら合計所得金額が2400万円以下の場合、所得税の基礎控除を超える48万円以上の収入があれば申告しましょう。
 

母親が贈与されたお金も母親のもの

贈与されたお金も、所有権は母親に移っているためへそくりに回しても母親のものです。ただし、贈与されたお金が1年で110万円を超えている場合は贈与税を申告します。へそくりに自分で稼いだお金と贈与されたお金が混在しているときでも、忘れずにそれぞれの税金を申告しましょう。
 
例えば、100万円は源泉徴収済みの給料から少しずつ貯め、200万円は1年間で受け取った贈与のお金だった場合、200万円は贈与税の課税対象です。国税庁によれば贈与税は年間の基礎控除額が110万円なので、1年間で贈与された金額が110万円を超えていれば贈与税を申告する必要があります。
 

父親から生活費として渡されたお金をこっそり貯めていれば父親のもの

専業主婦の母親がへそくりをする場合、お金の出どころは父親から渡される生活費だというケースもあるでしょう。もともとは生活費のお金なので、父親にも言わずこっそり隠している方もいるかもしれません。
 
しかし、このケースだとへそくりの持ち主は父親扱いになります。生活費として渡されたお金は贈与にはならないためです。民法第549条では「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」とされています。
 
父親は母親に対して生活費を渡しているだけで、お金を贈与する意思表示はしていません。贈与の条件を満たさないため、渡したお金の持ち主は引き続き父親のままと考えられます。
 
もしこの状態で父親が亡くなると、母親のへそくり300万円も父親の相続財産として相続税の計算に加える必要があります。国税庁によると、相続税は基礎控除額が「3000万円+(法定相続人数×600万円)」で、へそくりも含めた金額が基礎控除額を超えていれば相続税の申告が必要です。
 

子どものためのお金なら贈与を活用する

やがて子どもに渡すと決めているお金なら、へそくりにせず贈与制度を活用して渡すことも選択肢のひとつです。通常の贈与で300万円を一度に渡すと年間の基礎控除額を超えるため超えた分は課税対象ですが、子どもへの贈与に関しては非課税になるケースもあります。
 
国税庁によると、贈与税が非課税になる財産のひとつが「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」です。例えば、大学の入学金を母親に出してもらったり、病気になったときの治療費を負担してもらったりする場合は非課税になる可能性があるでしょう。
 
ほかにも、結婚や子育て資金なら制度を活用すれば一定の要件を満たすことで非課税で子どもへお金を渡せる場合があります。へそくりにせず父親にもお金の存在を伝えたうえで娘へ贈与すれば、税金がかからない可能性もあるでしょう。
 

へそくりはお金の出どころによっては税金申告が必要な場合がある

へそくりに回したお金が自分で稼いだり贈与されたりしたお金か、父親から生活費として受け取ってこっそり貯めているお金かで持ち主が変わります。もし父親からの生活費を使用している場合は、父親が亡くなったときに父親の相続財産として相続税の計算に加える必要があります。
 
やがて子どもに渡すと決めているなら、へそくりにはせず所在を明らかにしたうえで、非課税になる制度などを利用して子どもへ渡しましょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1199 基礎控除
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和6年度版) 財産を相続したとき
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
e-Govポータル法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第三編 債権 第二章 契約 第二節 贈与 第五百四十九条(贈与)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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