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国家公務員の“配偶者扶養手当”が「月6500円」から「0円」へ!? 転勤が多いため妻には専業主婦でいてほしいのですが、働いてもらったほうが得でしょうか…?

ファイナンシャルフィールド / 2024年9月14日 5時0分

国家公務員の“配偶者扶養手当”が「月6500円」から「0円」へ!? 転勤が多いため妻には専業主婦でいてほしいのですが、働いてもらったほうが得でしょうか…?

国家公務員に支給される配偶者扶養手当は、公務員が配偶者を扶養している場合に支給される手当の一種です。配偶者の年間収入が130万円未満であるなど、一定の条件を満たす場合に支給されます。しかし、2025年度からこの手当が段階的に廃止されることが決まりました。手当がなくなることで、家計に与える影響が気になる人もいるかもしれません。   本記事では、国家公務員の配偶者扶養手当廃止の概要や、配偶者が働いた場合の手取りの変化について解説します。

国家公務員の配偶者扶養手当が廃止

人事院の給与勧告によると、2025年度から2026年度にかけて、国家公務員の配偶者に対する扶養手当が段階的に廃止される予定です。主な変更点は次の通りです。

■行政職俸給表(一)の7級以下の職員

2024年度:月額6500円
2025年度:月額3000円
2026年度:廃止(0円)

■行政職俸給表(一)の8級以上の職員

2024年度:月額3500円
2025年度:廃止(0円)
2026年度:廃止(0円)

このような改定は、共働き世帯の増加といった現代の社会状況に対応するために行われるものです。
 
月額6500円の配偶者手当が廃止されることで、年間で計算すると収入が7万8000円減少する計算になります。国家公務員の夫が、専業主婦の妻を扶養している場合、「手当がもらえないなら、妻に働いてもらった方が良いのだろうか」と考えるかもしれません。
 

もし妻が働いた場合、夫の手取り額はどう変わるのか?

妻の収入が一定額以下である場合、夫は税の「配偶者控除」を受けられ、課税所得が下がります。例として、40代の年収600万円の夫が配偶者控除を受けた場合、年間手取り額は約463万円になります。
 
もし妻が働き始めたら、夫の収入にどのような影響を与えるのでしょうか。ここでは、「夫が”配偶者(特別)控除”を受けられるかどうか」に焦点を当てて解説します。
 

妻の給与収入が年間150万円以下の場合

妻の給与収入が年間103万円以下の場合、夫の所得税と住民税に影響はなく、手取り額は変わりません。なぜなら、年間103万円の給与収入までであれば配偶者控除を受けられる条件に該当するからです。妻が稼いだ分、世帯年収も増えることになります。
 
厳密に言うと、103万円を超えても150万円までであれば、「配偶者特別控除(38万円)」を受けられるため、夫の手取りは変わりません。ただ多くの場合、収入が130万円を超えると社会保険の扶養から外れて、配偶者自身の社会保険料の負担が増えることになりますが、ここでは詳しい解説を省きます。
 

妻の給与収入が年間約201万円以上の場合

妻の給与収入が年間201万6000円以上の場合、夫は配偶者控除(特別配偶者控除)を受けることはできません。そうなると、年間手取り額は約456万円になります。妻を税の扶養に入れていたときよりも、手取り額が約7万円下がる計算です。
 
このように夫の手取りは下がります。一方、妻の収入により世帯全体の収入は高くなります。トータルでは家計にプラスになるでしょう。
 

家計全体でのバランスを考えよう

国家公務員の配偶者扶養手当は、今後廃止される予定です。この変更により年間約8万円の手当が減るため、対象となる人は、家計に大きな影響が出ることは避けられません。
 
妻が働くことでその影響をカバーできる可能性がありますが、転勤が多かったり子育て中だったりすると、働くのが難しいこともあります。働くことのメリット・デメリットをしっかりと検討し、家計全体でどうバランスを取るかを考えることが重要です。
 
手当が減ることだけにとらわれず、夫婦でよく話し合い、最適な選択をしてくださいね。
 

出典

人事院 本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み
国税庁 No.1191 配偶者控除
国税庁 家族と税
 
執筆者:山田麻耶
FP2級

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