もうすぐ定年です。「年金」と「配当金」で生活しようと考えているのですが、年金受給中の所得税や住民税は非課税ですか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月17日 7時0分
新NISAの登場により、老後は年金と配当金で過ごしたいと考える方もいるでしょう。老後資金の計画を立てる際は、収入だけでなく支出にも目を向けることが大切です。 支出を把握することで、より現実的な資金計画が立てやすくなります。本記事では、年金から差し引かれる税金や保険料について詳しく解説します。
年金から引かれるもの
国民年金や厚生年金から差し引かれる税金や保険料には、所得税、住民税、国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料などがあります。
どの税金や保険料が差し引かれるかを事前に把握しておくことで、老後資金の計画が立てやすくなります。本項では、年金から差し引かれる税金や保険料について詳しく見ていきましょう。
所得税
年金など受給するときは、収入からその年金に応じて定められている一定の控除額を差し引いた額に5.105%を掛けた金額が源泉徴収されます。源泉徴収税額は、「所得税=(公的年金-社会保険料-各種控除額)×5.105%」で求められます。
住民税
4月1日時点で65歳以上の年金受給者で、受給額が年18万円以上かつ前年の年金所得に対して個人住民税がかかる人は、特別徴収制度(年金より天引き)により市民税・県民税を納付します。住民税は「所得割」(所得に対して10%)と「均等割」(所得に関係なく全員に課される一定額)で構成されます。
国民健康保険料
65歳以上75歳未満で、年間の年金受給額が18万円を超える場合は、国民健康保険料も差し引かれます(後期高齢者医療制度の対象者は除く)。国民健康保険料の金額は、自治体によって異なります。
介護保険料
65歳以上で、年間の年金受給額が18万円を超える場合、介護保険料も差し引かれます。介護保険料の金額は、自治体や所得額によって異なります。
後期高齢者医療保険料
75歳以上、または65歳以上75歳未満で後期高齢者医療制度の対象となり、年間の年金受給額が18万円以上の場合、後期高齢者医療保険料がかかります。保険料は、所得に応じた「所得割」と、全員に一定額課される「均等割」で構成されます。
配当金は新NISAを利用すれば非課税
通常、株式の配当金や投資信託の分配金には、20.315%(所得税・復興特別所得税が15.315%、住民税が5%)の税金がかかります。
ただし、新NISAで運用している場合、運用益(売却益、配当金・分配金)は非課税となります。新NISAの年間投資枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円あり、非課税保有期間は無制限です。非課税のメリットを生かして資産形成を目指すことができます。
年金から税金や保険料が引かれる可能性も考慮して老後の資金計画を立てよう!
国民年金や厚生年金からは、所得税、住民税、介護保険料などが差し引かれる場合があります。老後の資金計画を立てるためには、税金や保険料の金額がどれくらいかを事前に把握しておくことが大切です。
税金や保険料は自治体によって異なるため、自分の年金からどれだけ差し引かれるか、早めに試算してみましょう。
出典
国税庁 高齢者と税(年金と税)
国税庁 No.1600 公的年金等の課税関係
総務省 個人住民税
日本年金機構 Q 年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税を特別徴収されるのはどのような人ですか。
金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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