2024年10月に「最低賃金」がさらに上昇? 全国各地で「時給1000円以上」も検討されているって本当?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月9日 10時0分
毎月のように、多くの商品の価格改定や値上げを耳にするものの「その割に給料は上がらない」と感じている人も多いのではないでしょうか? しかし2024年10月に予定している改定では、最低賃金が大幅に改訂される予定です。 今回は、2024年10月の最低賃金改定による影響や、賃金が上がることのメリットや不安点についてご紹介します。
2024年10月には最低賃金はどうなる?
厚生労働省によると、2024年10月から最低賃金が見直されます。最低賃金の全国平均は1055円で、1年前の1004円から51円アップとなりました。51円アップは1978年にこの制度が始まって以降、最高額です。
最低賃金は東京都が1163円と最も高く、最も低いのは秋田県の951円です。その差は212円ですが、最高額に対する最低額の比率は81.8%と年々改善されてきているようです。なお、最も高い引き上げ額は徳島県の84円で、前年から9.4%の引き上げ率となっています。
全国的にも最低賃金が1000円を超える都道府県が増加しており、前年は8都府県だったのに対し、2024年は16都道府県となる予定です。
最低賃金の上昇によるメリット
最低賃金が上がることは、これまで最低賃金に近い額で働いていた人にとって、収入アップが期待できるメリットがあります。ここでは、それ以外に考えられるメリットを紹介します。
景気回復の可能性がある
個々の収入が増えることで、生活の安定や消費の促進につながる可能性があります。
これまでは商品の価格があがる一方で給料が上がらず、買いものを控えていた人もいるでしょう。しかし、収入が上がることによって多少の余裕が生まれ、購入促進が期待できるのです。その結果、景気が回復する可能性もあるでしょう。景気がよくなることで、企業の売上も上がり、設備投資や従業員の雇用なども増える可能性があります。
結果的にさらなる賃金アップも見込め、景気の好循環が生まれる可能性も考えられるでしょう。
正規社員・非正規社員の格差が縮小する
現在、正規社員と非正規社員(派遣社員・契約社員・パート・アルバイトなど)との間にある賃金の格差が問題となっていますが、最低賃金の上昇によって、その差が縮小する可能性があります。
最低賃金の上昇による懸念点
最低賃金の上昇は、さまざまなメリットが考えられますが、その一方で企業にとっては、大きなデメリットが生じる可能性もあります。
企業の負担が重くなる
最低賃金の引き上げが実施されれば、当然ですが給与がアップする人が増えます。
とくに、アルバイトやパート社員を多く採用している傾向があるコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどは、大幅な人件費の増加が必要となる可能性もあります。その結果、企業側の負担は増えることになり、中には資金繰りが悪化する企業がでてくるかもしれません。
扶養内パートの人が労働時間をおさえる可能性がある
時給が上がることで、勤務時間を増やしたいというパートやアルバイトなどの非正規社員が増えるのではないか、と考える経営者もいるかもしれません。しかし扶養内で働いている人にとっては、勤務時間を増やすことで扶養から外れてしまうおそれもあるため、労働時間をおさえようと考える人もいるでしょう。
人手不足で悩む企業にとっては、さらに深刻な事態に陥ってしまう可能性があります。
2024年10月より最低賃金1000円以上の地域は16都道府県に増加する
2024年10月から、最低賃金が見直されます。全国平均は、昨年の1004円から51円アップの1055円です。全国では、16都道府県が最低賃金1000円を超えることとなります。
さまざまなものが値上がりする中、最低賃金のアップは景気回復の手助けとなることも考えられるでしょう。
しかし、最低賃金が増えることで企業負担が大きくなることや、勤務時間を減らそうと考える扶養内パートが増える可能性があることなど、解決しなければならない問題も数多く残っています。
出典
厚生労働省 全ての都道府県で地域別最低賃金の答申がなされました
厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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