母が65歳になっても働こうとしています。年金月額が「10万円」もあるのにまだ足りないのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月15日 5時10分
現在、定年を迎えた後も働き続ける方が増えています。定年後の過ごし方は、収入と支出のバランスをみて決めることが大切です。では、毎月10万円の年金を受給できる場合でも、働き続けたほうがいいのでしょうか。 本記事では、定年後の単身無職世帯の平均的な生活費を紹介するとともに、定年後も働き続けるメリットを紹介します。支出額と自身の資産や年金額の差額を計算し、ゆとりのある生活を送るためには、定年後も働いたほうがいいか、判断できるようにしましょう。
定年後に母親が単身で暮らす世帯の平均的な生活費
ここでは、定年後に母親のみで暮らす世帯が毎月どのくらい生活費をかけているか紹介します。総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯の家計収支は表1のとおりです。
表1
食料 | 4万103円 |
住居 | 1万2564円 |
光熱・水道 | 1万4436円 |
家具・家事用品 | 5923円 |
被服及び履物 | 3241円 |
保健医療 | 7981円 |
交通・通信 | 1万5086円 |
教養・娯楽 | 1万5277円 |
その他の支出支出 | 3万821円 |
合計 | 14万5430円 |
出典:総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要」を基に筆者作成
単身無職世帯の場合、生活費は毎月14万円以上かかります。年金額が10万円の場合、毎月約4万円を貯金から切り崩すことになるでしょう。その場合、年間で約48万円、10年間で約480万円、20年間で約960万円の資産を用意しておく必要があります。
ただし上記はあくまでも平均額です。大きな病気やけがなど、万が一のことが起きた場合はもっと支出額は大きくなるでしょう。
定年後も働き続けるメリット
ここでは、定年後も働き続けるメリットを紹介します。定年後にどのように生活すればいいか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
老後の生活が安定する
65歳を過ぎても働き続ければ、年金以外の収入が確保できるため、老後の生活が安定しやすくなります。年金だけでは生活費をまかなうのが難しい場合でも、働いて収入を得られれば家計が安定し、余裕を持った生活が送れるようになるでしょう。例えば、食費や光熱費などの基本的な生活費をまかなうだけではなく、趣味や旅行に使う娯楽費を捻出することも可能でしょう。
受け取れる年金額が増加する
60歳以降も働き続け、条件を満たせば厚生年金に加入し続けられます。加入期間が長くなれば、老齢厚生年金の受取額が増えるため、より安心して生活できるようになるでしょう。
病気予防に役立つ
高齢者がかかりやすい病気の一つに「認知症」があります。認知症を発症する要因はさまざまありますが、日常生活の動作が少なくなり、身体機能や精神機能が低下することも原因の一つとされています。定年後も働き続ければ、定期的に身体を動かしたり、頭を使ったりする機会が得られるため、認知症の予防効果も期待できるでしょう。
仕事においては、考えたり、計画を立てたり、周囲の人とのコミュニケーションを取る場面があるでしょう。他人との会話が脳に刺激を与え、精神的な活力の維持に役立つと考えられています。
条件を満たせば健康保険に加入できる
定年後も働き続け、要件を満たしていれば健康保険への加入も可能です。健康保険は75歳から後期高齢者医療制度に切り替わりますが、それまでは健康保険を利用して、割安な健康診断や人間ドックを受けられます。定年後も働きながら健康保険に加入することは、健康面でも経済面でも大きなメリットがあるということです。
単身無職世帯の毎月の生活費は14万円以上
65歳以上の単身無職世帯の生活費は月14万円以上必要と考えられます。そのため、月10万円の年金を受給している人では、毎月4万円ほど貯金を切り崩して生活する必要があるでしょう。十分な資産形成ができていれば問題ありませんが、貯蓄に不安がある場合は、定年後も働き続けるのも一つの手段です。
年金以外の収入源ができるだけではなく、厚生年金や健康保険に加入し続けられるのもメリットといえるでしょう。定年後も働き続けるかは、年金額や資産と毎月の支出額のバランスをみて決めることをおすすめします。
出典
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要(19ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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