33歳会社員、子どもが生まれたので生命保険の加入を考えています。死亡保険にはどんな種類がありますか? おすすめは?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月20日 9時30分
死亡保険は、一家の稼ぎ手に万一のとき、残された家族の生活を支える生命保険です。死亡保険には、定期保険、終身保険およびそれらのバリエーションがあります。
終身保険
被保険者が死亡・高度障がいになった場合に保険金が受け取れます。ただし、死亡保険金と高度障がい保険金は重複して受け取ることはできません。
保障期間は定期保険のように限定せず、一生涯続きます。保険料の払込期間は、60歳までなど一定期間で満了するもの(有期払い込み)と、一生涯にわたるもの(終身払い込み)の2種類があります。「終身払」は「有期払」と比較して払い込む毎回の保険料が安くなります。また、保障期間すべての保険料を契約時にまとめて払い込む一時払や全期前納もあります。
遺族の生活保障のほか、次のような活用方法もあります。
養老保険のように満期保険金はありませんが、長期間継続すると解約返戻金が徐々に増えていきますので貯蓄も兼ねることができます。
なお、保険料払込期間中の解約返戻金額を低く(通常の7割程度)することで、保険料を割安にした「低解約返戻金型終身保険」もあります。保険料払込期間後の解約返戻金が払込保険料より多くなるので、子ども教育費の準備として加入する方もいます。
また、有期払い込みの場合には、保険料の払い込みが終了した時点で、死亡保障に代えて、(1)年金として受け取る、(2)介護保障に変更をするなど、老後資金としても利用できます。
その他、死亡保険金は相続対策としても活用できます。
定期保険
60歳まで、5年、10年、など保障期間を定めて契約し、その間に死亡・高度障がい状態になった場合にのみ保険金が受け取れます。一生涯保障する終身保険に比べ、割安な保険料で高額な死亡保険金を受け取れます。子どもが社会人になり独立するまでの一定期間の保障を厚くするなどの活用が考えられます。
「更新型」は、保障期間満了になっても健康状態に関係なく、所定の年齢まで同じ保険金額・保険期間で自動的に保障が継続(更新)されます。
ただし、一般に更新のごとに保険料が高くなりますので、10年満期を更新していくよりも最初から40年満期などの定期保険に加入したほうが、当初の保険料は更新型より割高です。しかし、保険料は保証期間を通じて変わりません(全期型)ですので、払込保険料総額は安くなります。
「更新型」は、若くて所得が少ないときなどには、当面の保険料負担を抑えて必要な保障を準備できます。
定期保険の解約返戻金はないか、あってもわずかです。満期保険金はありません。
ただし、98歳満了のように保障期間が長期のもの(長期平準定期)は、中途解約時にある程度まとまった解約返戻金を受け取れる場合があります。ただし、保障期間満了に近づくにつれ解約返戻金は減少し、最終的には0円になります。
さまざまな定期保険
定期保険にはさまざまなバリエーションがあります。保険期間中、死亡・高度障がい保険金額が変わらない「定額型」が一般的ですが、経過年数などに応じて保険金額が増えていく「逓増定期保険」や、逆に保険金額が減っていく「逓減定期保険」もあります。
「逓減定期保険」と同じように経過年数などに応じて保険金額が減っていく「収入保障保険」もあり、人気です。
収入保障保険は、一定の保険期間内に被保険者が死亡した場合、それ以後、契約時に定めた満期まで保険金を年金(毎月または毎年)で受け取れます。年金の受取回数には最低保証(2年・5年など)があります。
収入保障保険は、年金形式として一定期間受け取る以外にも一括での受け取りも可能です。ただし一括で受け取る場合は、年金形式と比較すると、受け取れる総額が少なくなります。
収入保障保険で受け取れる収入保障年金の総額は、経過年数とともに減っていきますので、「定額型」に比べ保険料がかなり割安です。
子育て世帯にとって必要となる死亡保障額は、子どもの成長とともに減っていくのが一般的です。収入保障保険は、子育て世帯の夫婦に適した保険といえます。
また、定期保険には健康状態が良好な方、非喫煙者だと保険料が割引になる「リスク細分型」があります。上手に活用しましょう。
その他、企業などが契約者となり、従業員が任意に加入できる団体定期保険(グループ保険)もあります。簡単な告知で加入でき、保険期間は1年です。1年ごとに収支計算を行い、剰余金が生じた場合は配当金を受け取ることができるので実質的な保険料は安くなります。会社の福利厚生制度を調べてみましょう。
出典
公益財団法人 生命保険文化センター 生命保険の種類(主契約・特約・その他)
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。
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