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「公務員」の初任給は大抵の場合「民間の初任給」より低いそうですが、40代50代になっても民間より低いままなのでしょうか…?

ファイナンシャルフィールド / 2024年12月23日 8時20分

「公務員」の初任給は大抵の場合「民間の初任給」より低いそうですが、40代50代になっても民間より低いままなのでしょうか…?

公務員の初任給は一般的に民間企業の初任給よりも低いといわれています。キャリアを重ねる中で40代、50代になった時にどちらの方がより多くの給与を得ることができるのでしょうか。本記事では、40代、50代の給与事情について探ります。

公務員と民間企業の初任給を比較

公務員と民間企業の初任給を比較してみましょう。総務省の「令和5年地方公務員給与の実態」によれば、市役所職員(市の一般行政職・試験採用)の平均初任給は、大学卒で18万7673円、短大卒で16万9273円、高校卒で15万6993円となっています。
 
一方、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると民間企業の新卒者の初任給は、大学院卒は27万6000円、大学卒は23万7300円、専門学校卒は21万4500円、高専・短大卒は21万4600円、高校卒は18万6800円となっています。
 
大学卒で比べた場合の差は約5万円とかなり大きく、公務員の初任給は民間企業の初任給よりも低く、大学卒や高校卒の初任給に関しては、民間企業の方が明らかに高い水準にあることが分かりました。専門学校卒や短大卒に関しても、民間企業の初任給が公務員の初任給を上回っています。
 
このことから、初任給の観点で見ると、民間企業の方が経済的に有利なスタートを切ることができるといえるでしょう。ただし、公務員には安定した雇用や福利厚生、長期的な昇給や退職金などのメリットがあります。
 

公務員と民間企業の40代・50代の年収を比較

総務省の「令和5年度地方公務員給与の実態」によると、地方自治体で働く大学卒公務員の平均月給は、40代で約37万円、50代で約41万円です。これをもとに、年収を「月給×12ヶ月+月給×4.5ヶ月(ボーナス)」で試算すると、40代は約610万円、50代では約676万円となります。
 
民間企業の大学卒社員の平均年収は、40~44歳が501万円、45~49歳が521万円、50~54歳は540万円、55~59歳が545万円となっています。
 
公務員と民間企業の大学卒社員の給与には、40代以降に差が広がることが分かりました。初任給では民間企業が公務員を上回るケースが多いものの、年齢が上がるにつれて公務員の給与が安定して増加し、特に50代では公務員の平均年収が民間企業を大きく上回る傾向にあります。
 

公務員の給与決定基準

国家公務員の給与額は、人事院が民間企業の賃金水準を参考にして決定します。これを人事院の給与勧告といい、公務員の労働基本権に制約があることの代償措置として、職員に対して社会全体の情勢に見合った適正な給与を確保するためのものです。
 
この勧告は、国家公務員の給与を民間企業の同等の職務に従事する従業員の給与とバランスを取ることを基本に行われています(いわゆる民間準拠)。
 
地方公務員の給与は、給料表の「級」と「号給」の組み合わせによって決定されます。地方公務員の給与は職種別に異なる給料表が適用されており、これは国家公務員の俸給表に相当するのです。
 
給料表の「級」は、職務の複雑さや責任の重さに基づいて決められる職務レベルを示します。一方、「号給」はその級を細分化したもので、職務経験年数に応じて職務の熟練度を給与に反映させるためのものです。
 
地方公務員の給与の水準は、国家公務員と同様に、民間の実際の給与状況を調査した上で調整されます。地方公務員における給与改定は、人事院の給与勧告を参考に、都道府県や政令指定都市、特別区などに設置された人事委員会の方針に従って行われ、一般市町村の場合は議会の決議に基づく給与条例の施行によって決定されます。
 

公務員の初任給は民間企業の初任給よりも低いが、40代・50代になると給与額は逆転する可能性

公務員の初任給は確かに民間企業の初任給よりも低いのですが、40代・50代になると給与額は逆転する可能性があります。
 
初任給の段階では、民間企業が一般的に高い給与を提供しており、特に大学卒の新卒者においては民間企業の初任給が公務員を上回りますが、キャリアが進んだ40代や50代では、公務員の給与が安定的に増加し、民間企業よりも高い年収を得ている可能性があることが分かりました。
 

出典

総務省 令和5年地方公務員給与の実態 [附帯調査関係]初任給基準関係 第12表 
政府統計の総合窓口(e-Stat) 賃金構造基本統計調査/令和5年賃金構造基本統計調査 概況
総務省 令和5年地方公務員給与実態 第1 調査結果の概要
国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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