風邪になったら、市販薬だけで治しています。体が弱いので買いだめしようと思うのですが、「医療費控除」はいくらから適応されるでしょうか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月23日 9時50分
風邪を引いたとき、市販薬で対処する人は多いでしょう。また、体調を崩しやすい場合には薬を常備することも考えるのではないでしょうか。そんなときに知っておきたいのが「医療費控除」です。 本記事では、医療費控除がどの程度の金額から適用されるのかを詳しく解説します。
医療費控除の対象となる金額
医療費控除は、1年間(1月1日から12月31日)に支払った医療費が一定額を超えた場合に、確定申告で所得から控除できる制度です。具体的には、納税者本人や同じ生計の家族の医療費が10万円を超えた場合に適用されます。
ただし、総所得が200万円未満の場合は、医療費が総所得の5%を超えた時点で控除の対象になります。
控除対象となる医療費
医療費控除には、本人だけでなく、その配偶者や生計を共にする家族の医療費も含まれます。
「生計を共にする」とは同居に限らず、生活費や学費を送金している場合なども含まれます。そのため、例えば一人暮らしをしている大学生の子供の医療費も控除の対象です。
市販薬も医療費控除の対象になる
薬局やドラッグストアで購入できる市販のかぜ薬は、医師の処方や指示がなくても医療費控除の対象です。医薬品の購入費が、治療や療養を目的とし、その症状に対して通常必要とされる範囲内であれば、医療費控除の対象として認められます。
なお、風邪を治すために購入する風邪薬の費用は医療費控除の対象ですが、ビタミン剤など病気予防や健康維持を目的とした医薬品の費用は対象外です。
セルフメディケーション税制とは
セルフメディケーション税制は、対象となる市販薬を年間1万2000円以上購入した場合に利用できる制度で、最大8万8000円まで控除が受けられます。
セルフメディケーション税制の適用条件
セルフメディケーション税制を利用できる人は以下の条件を満たしている人です。
●所得税や住民税を納めている
●その年(1月~12月)に特定健康診査(メタボ健診)、予防接種、定期健康診断、健康診査、またはがん検診を受けている
●医療費控除を利用していない
対象となる医薬品は、領収書やレシートに「控除対象」と記載されているため、購入時には忘れずに保管しましょう。
セルフメディケーション税制の対象となる医薬品
対象となる医薬品は、購入時の領収書やレシートに「控除対象」と記載されています。具体的な対象品目は厚生労働省のホームページで確認が可能です。ドラッグストアや薬局で購入した際のレシートや領収書は、忘れずに保管しておくことが大切です。なお、通常の医療費控除を利用する場合は、治療目的で購入した市販薬も医療費に含めることができます。
医療費控除とセルフメディケーション税制は同時に利用できない
医療費控除とセルフメディケーション税制は同時に利用できないため、どちらを選ぶかは慎重に検討する必要があります。
●医療費控除:年間医療費が10万円を超える場合に有利です。
●セルフメディケーション税制:市販薬の購入が多い場合におすすめです。
自身の医療費の状況に応じて、最適な制度を選びましょう。
多くのドラッグストアでは、風邪薬の販売を1人1箱に制限
多くのドラッグストアでは、風邪薬の販売を1人1箱に制限しています。これは、一部の市販薬に注意が必要な成分が含まれているためです。
市販のせき止め薬や風邪薬には、依存性がある成分が含まれている場合があり、乱用のリスクがあります。たとえば、せき止め薬の成分であるコデインは、医療用麻薬のモルヒネに似た化学構造を持ち、継続的に使用すると依存症を引き起こす可能性があります。
そのため、厚生労働省は「乱用の恐れがある成分」として、販売時に特別な注意喚起を求めているのです。
医療費控除は、1年間(1月1日から12月31日)に支払った医療費が10万円を超えた場合に適用
医療費控除は、1年間(1月1日から12月31日)に支払った医療費が10万円を超えた場合に適用されます。ただし、総所得が200万円未満の場合は、医療費が総所得の5%を超えた時点で控除の対象となります。
また、市販薬の購入には「セルフメディケーション税制」という選択肢もあり、対象の医薬品を1万2000円以上購入すると控除を受けることが可能です。ただし、医療費控除とセルフメディケーション税制は同時に利用できないため、自身の医療費状況に応じてどちらを選ぶか慎重に検討することが重要です。
市販の風邪薬も、治療目的であれば医療費控除の対象となります。ただし、ビタミン剤など病気の予防や健康維持のための薬は対象外となるため、購入する薬の種類には注意しましょう。
出典
国税庁 医療費を支払ったとき(医療費控除)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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