40歳になりやっと管理職に!基本給が3万円上がったのに手取りが下がったのはなぜ?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月27日 8時30分
管理職に昇進すると責任や仕事量が増えますが、大幅な給料アップも期待できます。入社してから精力的に仕事に取り組んで、40歳になってやっと念願の管理職に昇進した方もいるでしょう。しかし基本給が3万円上がったのに、手取りは昇進前よりも下がってしまうことがあるようです。 管理職に昇進したのに手取りが下がってしまう場合、どのような理由が考えられるのでしょうか。管理職と非役職者の平均給与や、労働基準法上の管理監督者の定義についても調べてみましたので参考にしてください。
管理職と非役職者の平均給与を比較
管理職に昇進すると、基本給が上がったり役職手当が付いたりして、給与の大幅アップを期待するでしょう。厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、管理職と非役職者の平均給与は以下の通りです。
●部長級:59万6000円
●課長級:49万800円
●係長級:37万800円
●非役職者:29万1100円
同調査から、非役職者から係長級へ昇進すると、給与は7万9700円上がることが分かります。課長の役職が与えられれば、非役職者との差は19万9700円です。40歳になりやっと管理職になった方が「基本給が3万円上がった」場合、平均よりも給与アップの割合は低いといえるでしょう。
管理職になって手取りが下がる場合に考えられる理由
管理職になって基本給が3万円上がったのに、手取りは昇進前より下がってしまう場合もあるようです。これには、会社が管理職になったことを理由に、残業代の支払いをしなくなっていることが考えられます。
労働基準法第41条では「監督もしくは管理の地位にある者(管理監督者)または機密の事務を取り扱う者については、労働時間、休憩および休日に関する規定は適用しない」旨が定められています。つまり、管理監督者が残業や休日出勤をしても残業代や休日出勤手当は支払われないということです。
昇進前に残業の多い業務に携わっていた場合は、今まで受け取っていた残業代よりも基本給の上昇や役職手当などが少ないと、手取りは下がってしまうでしょう。
「管理職」が労働基準法上の「管理監督者」とは限らない点に注意
会社が定める「管理職」と、労働基準法上の「管理監督者」は、必ずしも同じではない点に注意が必要です。東京労働局労働基準部の「しっかりマスター 労働基準法 -管理監督者編-」によると、以下に当てはまらない場合は社内で管理職とされている場合でも労働基準法上の管理監督者には該当せず、残業代や休日出勤手当の支給が必要です。
●経営者と一体的な立場で仕事をしている
●出社・退社・勤務時間について厳格な制限を受けていない
●その地位にふさわしい待遇がなされている
管理職になったとしても、会社によっては権限や相応の待遇がなく、肩書だけが与えられる場合も考えられますから、自身のケースで労働基準法上の管理監督者であるか確認することは大切です。
管理職になって基本給が上がっても残業代が出なくなって手取りが下がる場合も
非役職者の平均給与よりも、係長級であれば7万9700円、課長級は19万9700円多いことが分かりました。管理職への昇進で、基本給の上昇や役職手当が付いて、給与が大幅アップすると期待できます。
しかし、労働基準法の管理監督者に該当する場合は、残業代や休日出勤手当の支給がなくなります。また、給与の上昇が今までもらっていた残業代よりも少ない場合に、昇進しても手取りが下がってしまう現象が起こることがあるようです。
ただし、会社で管理職とされていても、労働基準法上の管理監督者には該当しない場合があります。
「経営者と一体的な立場で仕事をしている」「出社・退社・勤務時間について厳格な制限を受けていない」などに当てはまらないと、残業代や休日出勤手当は支払われる必要があります。その地位にふさわしい待遇がなされているべきでもありますから、昇進して手取りが下がってしまう場合は、自身が本当に管理監督者に該当しているかを確認しましょう。
出典
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況(7)役職別にみた賃金
e-Govポータル法令検索 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号) 第四章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇 第四十一条(労働時間等に関する規定の適用除外)
東京労働局労働基準部 しっかりマスター 労働基準法 -管理監督者編-
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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