働きながら年金をもらう場合の「500万円の壁」って何ですか? 働き過ぎると「年金がもらえなくなる」って本当?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月29日 5時40分
「働きながら年金を受け取る場合、月の収入が50万円を超えると年金が減額される可能性がある」といううわさを耳にしたことがある方もいるかもしれません。では、一体この「50万円の壁」とは、どういうものなのでしょうか。 この疑問に答えるため、本記事では、働きながら年金をもらう際の注意点や、年金を減額させずに働くための方法について分かりやすく解説します。
給与収入がある場合の老齢年金の受給条件と支給停止について
給与収入がある場合でも、老齢年金を受け取ることは可能です。特別支給の老齢厚生年金や老齢基礎年金、老齢厚生年金は、給与を得ている状況でも支給されます。
しかし、厚生年金保険に加入しながら働いている場合や、70歳以降に厚生年金保険の加入事業所で勤務している場合は、給与収入と老齢厚生年金を合わせた金額が一定額(令和6年度の場合、1ヶ月あたり50万円)を超えると、特別支給の老齢厚生年金や老齢厚生年金の一部または全部が支給停止になります。この仕組みを「在職老齢年金」といいます。
なお、老齢基礎年金は給与などにかかわらず全額受給することができます。
年金を減額させずに働くための方法
年金を受給しながら働く場合、収入が多過ぎると年金が減額されたり支給停止されたりしてしまう可能性があります。年金の受給額を減らさずに働きたい場合、以下の方法を考慮する必要があります。
老齢厚生年金を含む月の収入が50万円以内になるように働く
年金を減らさないためには、賞与を含む給与と老齢厚生年金の合計が月50万円を超えないようにすることが重要です。
例えば、老齢厚生年金額が月10万円の場合、賞与を含む給与が月に40万円を超えない限り、年金の支給は停止されません。もし老齢厚生年金を含む1ヶ月の収入が50万円を超えそうであれば、勤務時間や日数を調整することを会社に相談してみましょう。
厚生年金保険に加入せず働く
定年退職後、厚生年金保険に加入しない働き方を選ぶことで、年金の減額は防げます。例えば、年金を受け取るようになった後は、社会保険に加入する必要がない範囲でパートやアルバイトとして働くか、個人事業主やフリーランス、自営業として活動することが検討できます。
働ける環境にあるならどんどん稼いだほうがお得な場合もある
働ける環境が整っているなら、積極的に働いたほうがお得な場合も多いようです。年金の減額を避けるために労働時間を調整するよりも、しっかり働いたほうが断然メリットがあるケースもあるでしょう。
もし、元の職場で再雇用が決まり、50代のときと変わらない賃金を得られるのであれば、年金の減額を気にせず働くのが賢明でしょう。さらに、仮に年金が減額されても、支払った厚生年金の保険料は将来の年金に反映されるため、完全に損をするわけではありません。
老齢厚生年金を含む1ヶ月の収入が50万円を超える場合に年金の支給額が減額される可能性がある
働きながら年金を受け取る場合の「50万円の壁」とは、老齢厚生年金受給者が厚生年金保険に加入しながら働いて、1ヶ月の収入が老齢厚生年金を含めて50万円を超える場合に老齢厚生年金の支給額が減額もしくは支給停止されるボーダーラインを指します。老齢厚生年金を受け取っている人が一定額以上の収入を得ると、老齢厚生年金の一部または全額が停止されることがあるのです。
年金を減額させずに働くための方法としては、老齢厚生年金を含む1ヶ月の収入を50万円以内に抑えること、厚生年金保険に加入せずに働くことなどが挙げられます。ただし、働ける環境が整っているのであれば、年金の減額を気にせず積極的に働いたほうがお得な場合もあります。
もし減額されたとしても、働いて支払った厚生年金の保険料は、将来の年金に上乗せされるため、無駄になることはありません。年金を受け取りながら働く際は、働き方を工夫して、給与収入と年金受給をうまく両立させることが重要です。
出典
日本年金機構 働きながら年金を受給する方へ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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