親の介護で仕事を諦めない! 給料の「6割」が支給されるのに、利用率がたった「1割」の介護休業制度とは
ファイナンシャルフィールド / 2025年1月7日 9時10分
親の介護が理由で、仕事を続けることが難しかったり、継続して働くことを諦めたりする人もいるかもしれません。このような場合に活用できる制度として、「介護休業制度」があります。しかし、どのような制度なのか知らない人も多いようです。 そこで今回は、介護休業制度の概要についてご紹介します。どれくらいの金額が受け取れるのか、また、実際の利用率がどのくらいなのかもまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
介護休業制度とは
厚生労働省によると、介護休業制度とは、家族が要介護状態になった場合に、労働者が介護をするために認められる休業制度です。負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護が必要な場合に利用できるとされています。
介護休業制度は、正社員以外に、期間を定めて雇用されているアルバイトやパートの従業員も利用できます。ただし取得予定日から起算して、93日を経過する日から6ヶ月後までの間に、契約期間が満了する場合や、契約更新されない場合は対象外です。また、以下に該当する対象家族でなければ、介護休業制度は利用できないため、注意しましょう。
●配偶者(事実婚を含む)
●父母
●子
●配偶者の父母
●祖父母
●兄弟姉妹
●孫
ここまでに紹介した条件を満たしていれば、対象家族1人につき3回まで、かつ通算93日まで休業できます。なお、休業開始日の2週間前までに事業主への申請が必要になるため、忘れないようにしてください。
介護休業制度を利用している間に受け取れる金額
介護休業制度を利用している間に受け取れる「介護休業給付金」は、休業開始時賃金日額の67%相当額となっています。仮に時給1200円で8時間働いている場合は、日給が9600円となるため、6432円を受け取れる計算です。なお、実際に用いられる計算式は「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」となっています。
介護休業制度の利用率
日本総合研究所が実施した調査によると、2023年時点での介護休業制度利用率は、11.6%にとどまっているようです。約10人に1人しか利用していないと考えると、けして普及している制度とはいい難いでしょう。
なお、仕事をしながら介護をしている人の割合は、全体の5.4%であることも分かりました。人数でいうと、2023年時点では365万人ですが、2035年には460万人に増加することが見込まれています。
さらに、介護が原因で離職している人の数は、年間で10万人にものぼります。
介護休業制度を利用できていない理由はいくつか考えられますが、そもそも制度を知らない人も多いのかもしれません。
介護休業制度は条件を満たせば、最大93日間、給料の67%を受け取れる制度
介護休業制度は、家族が要介護状態になった場合に利用できる制度です。対象範囲内の家族が、2週間以上要介護状態が続くようであれば、最大93日間、給料の67%を受け取れるとされています。この制度を利用すると、介護が必要な際にも休業しやすくなる可能性があります。
しかし、実際に介護休業制度を利用できている人の割合は、11.6%にとどまっているようです。そのため、決して利用者の多い制度とはいえません。介護が必要な家族がいる場合や、今後必要になりそう場合は、制度についての理解を深め、自分や配偶者の負担を減らすために活用を検討するとよいでしょう。
出典
厚生労働省 「介護休業」を活用し、仕事と介護を両立できる体制を整えましょう。
日本総合研究所 企業は従業員の介護の実態把握を ―仕事と介護の両立支援の土台として―
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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