まかないがあるバイト先を探していたら「無料のまかないは違法」という情報を見つけました。どういうことでしょうか? 社割でのまかないは問題ないのですか?
ファイナンシャルフィールド / 2025年1月12日 4時50分
飲食店バイトの求人で目にする「まかない」は、非常に魅力的です。しかし、「無料のまかないは違法」ということをご存じでしょうか。また、まかないを社割で提供することに問題はないのでしょうか。この記事では、まかないに関するよくある疑問をわかりやすく解説します。
「まかない」は現物支給に該当する
まかないは、税務上「現物給与」として扱われるため、課税対象となります。
現物給与とは、給与を金銭以外の物品やサービスで支給することを指し、これに該当する場合、所得税が発生します。通常、給料は金銭で支払われ、その額に応じて所得税が天引きされますが、物品やサービスが現物支給されると、その分の税金が引かれません。
そのため、現物給与として提供されたまかないに関しては、必要な税金を源泉徴収しなければならず、もし税務調査でその点が指摘されれば、未納分の所得税と不納付加算税を支払うことになります。
まかないを無料にした場合にかかる税金
まかないを無料で提供していた場合、税務調査で指摘されると、どれくらいの税金を支払う必要があるのでしょうか。 以下の例を見てみましょう。
アルバイトの平均人数:1日3人
月の営業日数:26日
まかないの材料費:1食300円
まかないは1日1回支給
この場合、年間の現物給与は次のように計算できます。
3人×26日×12ヶ月×300円=28万800円
なお、税務調査では通常、過去3年分を確認することを踏まえた場合は、下記の金額です。
28万800円×3年=84万2400円
もし、1日あたりの勤務人数が増えたり、まかないの材料費が高くなったりすると、税金はもっと多くなります。また、税金は従業員が自分で払うのではなく、お店が源泉徴収して税務署に納めるのが一般的です。
税金の支払いが漏れていた場合、不納付加算税(10%)が課せられます。退職した従業員についても同じ計算が適用されますが、退職者から徴収するのは難しいため、その分はお店のオーナーが負担することになります。
まかないを非課税扱いとするには
有料のまかないの場合、一定の条件を満たすことで福利厚生費として計上でき、非課税となります。しかし、条件を満たさない場合は福利厚生費として認められず、飲食店が負担した金額が全額課税対象となります。そのため、社員割引価格で従業員にまかないを提供する場合には注意が必要です。
・従業員が食事代の半分以上を負担していること
・企業の補助額が月額3500円(税抜き)以下であること
例えば、1ヶ月あたりの食事代が1万円で、役員や従業員がそのうち7000円を負担している場合、条件を満たしているため、現物支給として扱われません。しかし、もし役員や従業員が負担する額が4000円の場合には条件を満たさないことになり、その差額である6000円は給与として課税対象となります。
まかないありの求人は人気
「まかない」が提供される飲食店の求人は非常に人気があります。特に長時間働く場合には、まかないがないと困ることも多く、求人を探す際に「まかないあり」が重要な条件になることも少なくありません。
無料または低価格でまかないを提供する飲食店は、求職者にとって魅力的な存在といえるでしょう。
社割でのまかないは条件を満たしていれば問題なし
「まかない」は飲食店でのバイトにおいて人気の福利厚生ですが、無料で提供する場合、税務上の問題が発生する可能性があります。
無料のまかないは「現物給与」として扱われ、所得税が発生するため、税務調査で指摘されると未納税金や不納付加算税が課せられることになります。さらに、退職した従業員に対しても税金が適用されるため、徴収できない場合は店舗のオーナーが負担することになるでしょう。
まかないが非課税として扱われるためには、従業員が食事代の半分以上を負担し、企業の補助額が月額3500円(税抜き)以下であることが求められます。条件を満たさない場合、その差額は課税対象となるため、注意が必要です。
出典
財務省 加算税の概要
国税庁 No.2594 食事を支給したとき
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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