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親から「公務員は退職金が高いからおすすめ」と言われました。本当に公務員の退職金は民間より多いのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2025年2月4日 4時50分

親から「公務員は退職金が高いからおすすめ」と言われました。本当に公務員の退職金は民間より多いのでしょうか?

就職先を決めるときは、大きく分けて民間企業の会社員と公務員という選択肢があります。公務員は安定していて給与はそれほど高くないものの、退職金は高いというイメージを持つ人も多いでしょう。実際に民間企業の会社員と公務員では、退職金にどれくらいの差があるのでしょうか。本記事では、会社員と公務員の退職金について解説します。

公務員と民間の退職金を比較

公務員には国家公務員と地方公務員の2種類があり、民間企業も規模によって大企業や中小企業があります。本記事では、種類別に平均の退職金を紹介します。
 
なお、本記事では定年退職金を前提としていますが、退職金の定義についても明確にしていますので併せてご確認ください。

 

退職金とは

退職金とは、一定年数以上勤務した社員が退職する場合に支払われる一時金のことです。退職金制度について法的な規制はなく、各企業に委ねられており、退職金制度がない企業も存在します。
 
しかし、公務員の場合は「国家公務員退職手当法」や「地方自治法」によって定められているので法的な根拠があります。本記事では退職金を比較するうえで公平になるよう、定年退職による退職金を対象としています。

 

公務員の平均退職手当額

国家公務員と地方公務員で、令和4年度中に退職した人が受給した退職手当の平均額は、以下のとおりです。
 

◆国家公務員(※1)……常勤職員: 2175万円
◆地方公務員(※2)……全地方公共団体:2117万1000円

 
国家公務員と地方公務員を比較すると、国家公務員のほうが退職手当額はやや高いことが分かります。ただし、退職手当は職務や職種、地域、勤続年数等によって異なるため、状況によっては地方公務員のほうが高いケースもあります。

 

民間企業の平均退職金額

民間企業は公務員と違い、退職金制度は法律によって義務付けられているわけではありません。民間企業で退職金制度を導入しているのは、全企業の約75%です。企業の規模別では1000人以上の大企業が約90%と高く、30~99人の中小企業では70%程度となっています。
 
退職金制度を導入している民間企業で、退職金額の平均は以下のとおりです。
 

◆大企業(※3)……大卒:2139万6000円、高卒:2019万9000円
◆中小企業(※4)……大卒:1091万8000円、高卒:994万円

 

公務員と民間企業では退職金はどちらが多いか

公務員の退職金には、学歴による区別はなく、主に勤務年数や退職日の俸給月額によって決まります。
 
これまでの公務員と民間企業における会社員の退職金額を、図表1にまとめました。なお、公務員の学歴による退職金の違いについて正確なデータがなく、ここでは民間企業の大学卒と比較しています。
 
【図表1】

公務員・企業の区別 平均退職金(定年退職)
国家公務員 2175万円
地方公務員 2117万1000円
大企業(大卒) 2139万6000円
中小企業(大卒) 1091万8000円

(※1)~(※4)より筆者作成
 
会社員の退職金は、大企業の大卒であれば公務員の退職金と比較してもさほど差がないことが分かります。しかし、中小企業の場合は大きな差があり、公務員の退職金は高卒も含んだ平均であることを踏まえると、大きな差が生まれる可能性があります。
 
ただし、図表1の金額は平均値であり、実際の退職金額は個人の勤続年数や職位、企業の規模や業種などによって大きく異なります。

 

公務員と民間企業のメリット・デメリット

公務員と民間企業の会社員を選択する際には、退職金だけでなく、自分に合っているかも考慮しましょう。それぞれのメリット・デメリットは、以下のとおりです。
 

◆公務員のメリット

・安定した給与や退職金がもらえる
・解雇されるリスクが低い
・異動範囲が限定される(地方公務員)
・社会的信用が高い

 

◆公務員のデメリット

・年功序列の傾向がある
・副業が原則禁止
・大きな昇給が難しい
・転職が困難な可能性がある

 

◆民間企業のメリット

・職種が比較的自由に選択できる
・実力主義の傾向で昇給のチャンスがある
・スキルアップして転職や独立ができる
・会社によっては副業が可能

 

◆民間企業のデメリット

・倒産やリストラのリスクがある
・会社によっては転勤の可能性がある
・公務員と比べてローンやカードの審査が厳しい傾向にある

 

公務員は安定しているが、給料や退職金だけでなく総合的に判断しよう

退職金は老後の大きな生活資金となるので、就職する場合は退職金に関して十分に把握しておくことが大切です。退職金の平均は公務員のほうが高い傾向にありますが、大企業も公務員と遜色ない場合があります。ただし、実際の退職金額は勤続年数や職位、企業の規模や業種などによって異なります。
 
しかし、就職先は退職金だけで決めるものではなく、やりがいやライフスタイル、個人の適正なども考慮する必要があります。就職は、総合的に判断して決断しましょう。

 

出典

(※1)内閣官房内閣人事局 退職手当の支給状況
(※2)総務省 令和5年 地方公務員給与の実態
(※3)厚生労働省 中央労働委員会 令和5年賃金事情等総合調査
(※4)中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)
厚生労働省 令和5年就労条件総合調査 結果の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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